2007年10月アーカイブ
インプラントで負のスパイラルを断つ!
メール相談で、『歯磨きを頑張って行っていても、どんどん歯がなくなるような気がするのですが、年のせいですか?』と聞かれたことがあります。
これについて、今日は私なりの解釈をしていきたいと思います。
このような質問をする方の中には、少なからず歯医者に不信感を持っている方すらいるようです。
『歯磨きもしっかり行っているし、自分には落ち度はない!』とお思いなのでしょうが、まずは本当に歯がきっちり磨けているのかと言う点ですね。
現在では、歯磨きを一日に平均で2回から3回は行っている方が大半で、一度も歯を磨かないという方は少数であると考えられます。
磨いていることと磨けているということは違うということでしょうね。
次に考えられることは、これまで歯を喪失したときに一般的歯科治療とされてきたものは、ブリッジや入れ歯であるという点です。
ブリッジにしても入れ歯にしても、どんな高名な歯科医師・技工士が作製に携わったとしても、所詮残存歯の犠牲の上に成り立っている治療方法だということです。
若い頃と比較し、咬合力はそれほど低下していない状態で、その咬合力を受け止めている歯牙の数が減少していたら、1本にかかる咬合力は喪失した歯の数が増えるたび毎に、増大することになります。
まして歯のない部分の咬合力まで、残存している歯牙で受け止めるわけですから、長期的にみてやはり残存している歯は壊れてくることは当然でしょう。(よく咬める歯ほど壊れるということになります。 )
特に咬合力が過大なタイプの方が、咬合力を受け止めるポテンシャルがもともと高い第一大臼歯を喪失した場合、そこから負のスパイラルに入ることは想像に難しくないと思います。
一番重要なことは歯を喪失しないことであることは言うまでもありませんが、もし歯を喪失することになったら、第一選択の治療方法はやはりインプラントであるということになります。
そこに1本のインプラントを埋入することで、他の歯牙の寿命が延びるということになります。
すなわち、インプラントは予防歯科という位置づけになると私は考えています。
インプラント治療を受けられた方から、喜びの声を頂きました。
インプラント治療を仙台市堀歯科医院で受けられた患者さまから、喜びの声を頂きました。
インプラントだけではなく、歯列矯正や口臭外来を受けられた方からも、続々とお喜びの声を頂いているので、近いうちに、堀歯科医院のHPに掲載したいと思います。
即時インプラント
歯を抜歯するのと同部位にインプラントを同時に行うことを即時インプラントと言います。
メリットは麻酔が一度で済むため、さらにはトータルの治療期間を短くする事ができるため、患者さまの肉体的・精神的な負担が少なくできる事が挙げられます。
一方、デメリットはすべての症例で行えるわけではないという点です。比較的条件が良い症例に選んで行っているのが現状です。
インプラントドクターとよく相談されるとよいかと思います。
インプラントの安定性
堀歯科医院では、インプラント治療の際に、CTによる画像解析を行っております。
今回は下顎両側4・5・6・7番相当分に、8本埋入予定の患者さまのインプラント埋入シュミュレーションが郵送されてきました。
この方は歯磨きも上手で、歯周病のメンテナンスにも定期的に来院される大変生真面目な方です。
それでも下顎の臼歯部はほぼ全滅で、長らく部分入れ歯を使用されていました。
歯磨きが上手なのに、歯をどうして喪失する結果となったのか。
その原因のひとつには、負担可能以上の力が歯にかかってしまったことが考えています。
そのため、クリーニングを繰り返し行っていても、それだけでは十分ではありません。
入れ歯やブリッジなど残っている歯に負担が大きくかかってしまうような治療方針を選択することで、残っている歯の寿命が短くなってしまっていることを知る必要があるでしょう。
インプラントが長期に亘って安定するためには、力のコントロールも重要であるということです。
現在、インプラントを埋入すること自体は、それほど困難ではなくなりました。
でも、インプラントを長期に亘り安定して使用できるかどうかは、実は咬み合わせを専門とする歯科医師が、いかにインプラントにかかる力をコントロールできるかによる部分も、結果に影響を与えると考えています。
私も"咬み合わせ認定医"ですが、本物の"咬み合わせ認定医"であると認定してくれる相手は、実はそれを私に与えた"顎咬合学会"
ではないと考えています。
私が思うに、本物の咬み合わせ認定医と認定してくれる相手は、堀歯科医院に来院しインプラント治療を受けた患者さま、ひとりひとりであり、
それは、10年後、20年後に、私に対して、そして堀歯科医院に対して下されるものと考えています。
堀歯科医院では、私にしてもはるみ先生にしても、毎週のようにセミナーに出かけては、研鑽を続けていますが、20年後に本物の"
咬み合わせ認定"、"本物の優秀な歯科医師"という評価を頂くことができるようにするための必要条件であると考えています。
インプラント ケース:3
本日のインプラントは、下顎小臼歯部に4本。
右側下顎1・2・3相当部に3本、左側下顎4番相当部に1本のインプラント埋入です。
CTでのインプラント埋入シュミュレーションを予め行っていたので、オトガイ孔の位置、下歯槽神経がオトガイ孔を出る直前の3次元的ループの方向および距離も把握していたこともあり、危なげなくインプラント埋入を行うことができました。
と言いながらも、もともと慎重な性格ということもあり、CTでのインプラント埋入シュミュレーションをベースにした私自身のイメージと実際のオトガイ孔の位置に誤差がないか確認せずにはいられない私でした。
結果的には、実際のオトガイ孔の位置とシュミュレーションによるイメージはほぼ一致していましたが、やはり今後もオトガイ孔は剖出し、インプラント埋入に望むことになると思います。
一方、このような流れでのインプラント埋入と対極にあるのが、ステントを顎骨に固定後、フラップレスでのインプラント埋入でしょうね。
堀歯科医院でもフラップレスのインプラントは行っておりますが、やはり症例を選んで行うようにしています。
GBRも併用しなくてはならない症例では、このフラップレスによるインプラント埋入は適当ではないと考えています。
インプラントがドリルなしで?
これまで、インプラント治療というと、必ずといって良いほど、ドリルが必要でした。
そのため、インプラント治療というと、『痛いのでは?』
『何となく怖いかも?』という先入観が脳裏によぎった患者さまもいらっしゃったようです。
もっと言えば、"歯医者=ドリル"という印象をお持ちの方すらいると言っても過言ではありません。
でも、歯科の世界も日進月歩!
堀歯科医院では、ついにドリルなしで行うことができるインプラント治療(OAMインプラント)を行えるようになりました。
このOAMインプラントは、名古屋市立大学医学部講師の大口弘医学博士が考案されたもので、ドリルの代わりに、径の異なる千枚通し状の治療器具を順に使用することで、少しずつ穴の径を広げていくという治療方法です。
これまで骨質の悪い部位へのインプラント治療は骨移植法やGBR 法との併用が必要となるケースも少なくありませんでしたが、このOAMインプラントは、あなたの骨をほとんど削ることなく、むしろ骨質を改善することが可能とするのです。
従って、骨粗しょう症などで骨密度に不安のある方も問題なくインプラント治療を受ける事ができます。
インプラント治療は、怖いというあなたへ
『インプラント治療は怖いから、入れ歯でいい!』というあなた!
堀歯科医院が独自に行った調査によると、『インプラント治療はなぜ怖いのでしょうか?』という質問を、インプラント治療を希望されなかった方にしたところ、『インプラントを埋入するためにドリルで骨に穴を開けなくてはならないから。』とお答えになる方が最も多いというデータがありました。
それでは、ドリルを使用しないで、インプラント治療を行うことはできないのでしょうか?
従来、インプラント治療というと、骨にドリルで穴を開けるのが一般的でした。
ところが、インプラント治療も日進月歩。
実は、現在ドリルを使用しないで、インプラント治療が当たり前の時代に入ろうとしているのです!
ドリルを使用した場合のインプラント治療と使用しない場合のインプラント治療では、患者さまの心理面への影響のほかに、インプラント治療の結果に対してもプラスの影響があるのです。
インプラント治療では、埋入する部位の骨質が結果に大きく影響します。
すなわち、骨質が悪い(骨がスカスカ)状態と骨質が良い(骨が密な)状態では、初期固定の程度が異なるのです。
ドリルを使用しないインプラント治療でも、インプラントを埋入するための窪みは必要です。
でもドリルを使用せず、径の異なる千枚通し状の治療器具を次々と挿入することで、インプラント治療を行うOAMインプラントでは、あなたの大切な骨をムダにすることなく、有効に治療に役立てる事ができます。
最新インプラントテクニック
フラップレス・インプラント:通常は歯槽骨面を見える状態にしてから行うインプラント治療が一般的ですが、歯肉の上から直接インプラントを埋入する方法もあります。
メリットとしては、歯肉を切らないために、痛みや腫れが少ないですが、これも条件が比較的良いものでないと行えません。GBR法を併用しなくてはならない症例では適当ではありません。
*インプラント治療の流れ
インプラント相談・基本検査
インプラントドクターによる口腔内診査、歯周病検査、虫歯検査、顎関節部の診査、パノラマレントゲンによる診査など
精密検査
CTによる歯槽骨レベル、下歯槽神経や上顎洞の位置の把握、インプラントを埋入する場所の骨密度の把握
インプラント埋入手術
本数にもよりますが、1時間?1時間半くらい必要となることが多いです。
消毒・抜糸
インプラント埋入後は、傷口が化膿しないように周囲の消毒を繰り返すと共に、周囲組織の治癒促進のために、炭酸ガスレーザーを繰り返し照射していきます。
来院日は、インプラント埋入翌日、3日後、1週間後と徐々に期間を長めにして、経過を診ていきます。その後は2週間後、3週間後・・・と経過を診ていきます。
抜糸は1週間から2週間後に行います。
3週間から4週間経過したら、軟毛の歯ブラシから始め、徐々に歯磨きを元に戻していきます。
歯磨きが十分に行えるようになる前には、グルコンサン・クロルヘキシジン溶液による定期的な洗口をお勧めしています。
歯の装着
インプラントが歯肉・骨に十分なじんだら(3ヶ月から半年)、インプラントに歯を被せる治療を進めていきます。
保証
当院では、インプラントおよびその上部構造について、5年間の無料保証を行っています。
※当院推奨の間隔で定期的にメンテナンスに来院されている方に限ります。
メンテナンス
インプラントは仮に問題が生じても、痛みが出にくい構造をしています。
そのため、痛みがなくても、特に不自由を感じていなくても、定期的に当院に来院していただく必要があります。
インプラントを長持ちさせるために、定期健診とプロフェッショナル・ケアを受けられることを強くお勧めしています。
インプラント難症例のために
インプラントは上顎大臼歯部には困難であるとこれまで言われてきました。
それは鼻と口の間に相当する上顎洞(サイナス)までしか、インプラントが埋入できなかったためです。
でも、今は違います。
上顎洞の粘膜を挙上するテクニック、すなわちソケットリフト・サイナスリフトです。
1.ソケットリフト
ソケットリフトは、インプラントを埋入する穴を上顎洞ぎりぎりのところまで削ります。そこから器具を使用し、上顎洞粘膜(シュナイダー膜)を含んだ上顎洞の薄く残った骨ごと上顎洞内部に押し込みます。
上顎洞内壁とシュナイダー膜の間に自家骨や人工骨を入れるとともに、今まで埋入する事ができなかった長いインプラントを埋入することができます。
埋入するインプラントも、歯槽骨とより馴染みのよい構造のよいハイドロキシアパタイトをインプラント表面にコーティングすることで、歯槽骨が不足した場所でも、より早く安全にインプラント治療を行えるようになりました。
2.サイナスリフト
サイナスリフトは、上顎洞の側面にウインドウをあけ、上顎洞内部に自家骨や骨補填剤を填塞する方法です。従来から行われてきた方法ですが、ソケットリフトと比較し術後に腫れるリスクがあります。
入れ歯は本当に安全なのか
インプラントは外科的な治療が必須となる一方で、入れ歯はそのような外科的な治療がないから安全だとおっしゃる患者さまがいます。本当にそうでしょうか?
このページでは、『入れ歯は本当に安全なのか?』というテーマで堀歯科医院の考えをまとめていきたいと思います。
これまで入れ歯は歯を抜歯した後に行われる最も一般的な方法のひとつでした。
そして入れ歯は、何となく安全な治療方法として、広く受け入れられてきた印象がありました。
しかしながら、入れ歯には、インプラントとは異なり、以下に示すような大きな問題があるのです。
入れ歯治療では、歯肉を圧迫するため、顎の骨が年間0.5?1.5?も吸収してしまうのです。このようなペースで顎の骨が吸収していき、10年経過すると・・・。
もうお分かりですね。入れ歯を長期間使用している患者さまの中には、顎の骨が大方なくなってしまったという方も少なくないのです。
また顎がやせればやせるほど、特に下顎の入れ歯では、安定が悪くなり食事がままならなくなります。お話しをする度に入れ歯が上下左右に踊っている方いるのはそのような理由からです。
また部分入れ歯では、残っている自分の歯にバネをかけて動きを小さくしているために、バネにかかる負担がどうしても大きくなってしまいます。
これは入れ歯の構造的な特徴が大きく関係しています。
インプラントは歯槽骨と直接結合している構造であるのに対して、入れ歯は歯槽骨―粘膜―入れ歯というという構造となっています。
インプラントは咬合力がかかっても動きませんが、入れ歯はクッションとなっている粘膜の厚みが部位によって異なるために、動きながら機能する装置であるといえます。
でも歯にかかるバネはしっかりと固定されていますよね。
すなわち、バネがかかる歯は動かないように固定されているのに、入れ歯は食事をする度に動くことになります。
そうなるとバネがかかった歯が次第に動くようになりますよね。
そうなるとバネをかけた歯からどんどん歯は喪失し、入れ歯は少しずつ大きくなるという経過をたどります。
つまり、入れ歯を安全であるとは言えないということになります。
インプラントのデメリット
1.インプラントは自由診療です。
インプラントは自由診療であるがゆえに、費用が比較的高額になります。
ただ、費用が高額になるにも理由があります。
歯と骨と結合しているインプラント体がまずは自由診療、その上の被せも自由診療なります。
すべてが自由診療になるから、高額になるのです。
2.インプラントは清掃が悪いと、歯周病のような状態になります。
インプラントがダメになる理由としては、咬み合わせの調整不足と不十分な清掃性です。
咬み合わせは常に変化すると言われています。インプラントに強い側方力が集中していないか定期的にチェックする必要があります。
また清掃性も同じように定期的にチェックする必要があります。
現在、ある調査によると、一日に二回あるいは三回歯磨きをする方がほとんどとのことですが、実際はどこかに磨き残しがあるという方がほとんどです。
インプラント治療のメリット
1.インプラントは別名"人工歯根"とも言われており、歯のないところに歯を作ることができます。
インプラントにより、失った歯がよみがえります。
2.インプラントはとにかく良く咬めます。
入れ歯は自分の歯があった頃と比較すると、20%程度しか咬めないといわれていますが、インプラントは自分の歯と比較してほぼ同程度咬むことができます。
3.インプラントは取り外しが必要ありません。
入れ歯では顎と入れ歯の間に食べ物が入ったりして、不快な思いをした方も少なくないと聞きますが、インプラントは固定式の歯です。そのような心配はもはや無用です。
4.インプラントは固定式の治療装置であるがゆえに、精神面にも良い影響があります。
いつまでも若い気持ちを維持する事ができます。
5.インプラントは結果として自分の歯を守ります。
インプラントはしっかりと咬合力を受け止める事ができるので、自分の歯には余計な咬合力がかかりにくいのです。
6.インプラントは虫歯になりません。
インプラントは純チタンあるいはチタン合金、すなわち金属ですので、虫歯にはなりません。
7.インプラントは安全性が高い治療方法です。
インプラントは開発されてから40年もの月日が経過し、安全性が確立されています。
インプラントの安全性
『インプラントは安全ですか?』と、いまだに質問を受けることがあります。
インプラントは開発されてから40年の歴史があり、全世界で使用されているインプラントは100万本を超えています。
現在では非常に信頼性の高い歯科治療として確立されております。
特に欧米では治療しても成功率の低い場合(重度歯周病や歯根の病気など)は、歯を抜いてインプラントに置き換える方が安全で信頼できるとして日常的に行われています。
信頼できる歯科医院で治療を受けるのでしたら、心配はありません。
インプラントが注目されるわけ
これまで抜歯後に受ける治療としては、入れ歯、ブリッジがありました。
入れ歯はバネをかけた歯に力が集中し、大きな負担がかかってしまうために、バネをかけた歯もダメになっていました。
またブリッジは、両隣の歯を削って咬めるようにする装置であるがゆえに、これも力学的には問題のある治療装置でした。
例えば、抜歯を受けた両隣の歯を削ってブリッジを入れる場合、土台となる歯は2本であるのに対して、咬む部分は3本あるので、土台1本当たりに受ける力はどうしても大きくなってしまいます。
上部のブリッジと土台はセメントで接着しているわけですが、食事や歯ぎしりなどにより、何万回と力を受けることで、
間にあるセメントが崩壊してきます。セメントが崩壊し唾液に流れてしまうと、その部分は隙間になりますから、その部分が虫歯になります。ただブリッジという構造上、ある意味連結固定されていますので、ブリッジが丸ごと外れてくるという状態にはなかなかなりません。
痛みが早めに出た場合には、結果的に歯を救うことができますが、患者さまの中には症状が重いのに、痛みが発現しにくい体質の方もいらっしゃいます。そうなると、問題が明るみになる頃には、"時すでに遅し"となっていることも少なくありません。
すなわち、入れ歯にしてもブリッジしても残存しているご自分の歯の犠牲に上に成り立っている治療方法であると言わざるを得ません。
このため、残存しているあなたの歯に全く影響を与えないインプラントがベストの治療方法であるといえる所以です。
ソケットリフトとサイナスリフト
インプラントを埋入する際、骨が不足していて、すぐにインプラントを埋入できないケースが少なくありません。
特に上顎臼歯部は上顎洞までの距離が不足しており、垂直的な骨量をいかに克服するかがインプラント治療成功への鍵となります。
このような場合には、オステオトームという器具を使用し、骨の高さが不足している部分の骨を上顎洞直下から内側に若木骨折させ、骨補填剤を介して上顎洞の内側に存在するシュナイダー膜を挙上します。
シュナイダー膜を挙上し上顎洞底を挙上させることで、インプラントを埋入するスペースを獲得することが可能となります。
一方、サイナスリフトは上顎洞の横からアプローチする方法で、ソケットリフトと比較し、どうしても手術侵襲が大きいのが欠点ですが、骨量が特に少ない場合には、サイナスリフトが採用されます。
現在では、侵襲が少ないソケットリフトが好まれています。
ドリルのいらないインプラント(OAMインプラント)
インプラントとは骨にインプラントを埋入し、その上に被せものをする治療です。
そのため、患者さまは少なからず、不安を抱えている方が少なくありません。
先日来院されたインプラント治療希望の方も、『インプラントって、骨に埋め込むんでしょ。何だか怖いね。』と堀歯科医院のスタッフにお話されていました。
これまでは、そのような恐怖心よりも『入れ歯の不具合から解放されたい!』という思いの強い方がインプラント治療に踏み切るような印象がありました。
ところが、堀歯科医院で導入を開始したOAMインプラントとは、恐怖心の根本的な原因と言っても過言ではない"骨にドリリングするという行為"を、ほぼゼロにするインプラントなのです!
このOAMインプラントとは、名古屋市立大学医学部講師の大口弘医学博士が考案したインプラントシステムで、インプラントを埋入するためのスペースを少しずつ大きくしていくというコンセプトです。
またこのOAMインプラントは、インプラントを埋入する周囲の骨質を緻密にしつつ、埋入スペースを拡大するわけですから、これまで骨質が悪いため、あるいは骨量が少なくて、インプラントができなかった場所にもインプラント治療が可能となりました。
『インプラントは骨がなくてできません。入れ歯しかありません。』と他の歯科医院で断られた方にこそ、このOAMインプラントは夢を実現させてくれる画期的なインプラントシステムなのです。
インプラントは予防歯科である!
インプラント治療は予防歯科です。
歯を何らかの原因で喪失した場合、その後の方法としては、インプラント、入れ歯、ブリッジがあります。
入れ歯は、自分の歯と同じくらい咬もうとすると、痛みが出るので、しっかりと咬ませることはできません。
『自分の歯と比較すると、入れ歯は2割くらいしか咬めない。』という論文もあるくらいです。
ということは、咬合力が一定であるとすれば、咬合力は残された自分の歯により多くかかるということになります。
さらに残された歯は、入れ歯が動かないようにバネで固定されています。
そして咬むたびに、入れ歯は粘膜の厚さ分沈下します。
しかしながら、バネは歯にぴったりと合っているわけですから、歯は毎日少しずつ動かされてしまいます。
このようにして、『入れ歯を固定する歯、あるいは残された歯で最も咬める歯から、どうしても歯がなくなってしまう。』ということが、私が毎日歯科臨床に携わってきて、目にする現実です。
患者さまは、歯さえ磨いていれば、きれいにしてさえいれば、歯は一生もつと考えている方も少なくないのですが、このように歯にかかる力を中心に考えてみると、歯を磨いていても歯を喪失するケースがあるということがご理解できたのではないでしょうか?
次に歯を喪失した際に、ブリッジを入れた場合です。
ブリッジは喪失した歯の両側を削って歯を入れる方法ですが、2本の土台に3本分の咬合力がかかるわけですから、長期的に診た場合にはやはり、いずれかの土台がダメになることが多いのが現状です。
そして、2本の土台のうちの一本が抜歯となれば、次は土台が2本のブリッジが入りますから、土台が2本で4本分の咬合力がかかる設計となります。
どんどん無理な設計になっていくということになります。
すなわち、ブリッジを治療方針に選んでいる限り、負のスパイラルから抜け出すことは不可能だということになります。
やはり入れ歯にしても、ブリッジにしても、残された自分の歯に過大な咬合力がかかることから、早期に歯を喪失結果となります。
咬合力を中心に考えた場合、より多くの歯に力を分散させることが何よりも重要であるということになります。
そして力を分散させる最も有効な方法がインプラントであるということになります。
インプラントは自分の歯と同じくらいしっかりと咬合力を受け止めることができることから、インプラント治療を行うことにより、残された歯がより長くもつことになるというのは、考えてみれば当たり前のことであると言わざるを得ません。
それが、『インプラント治療は実は予防歯科である!』と私が考える所以です。
インプラント治療にネガティブな歯科医師って。
インプラント治療にネガティブな歯科医師は、インプラント治療の経験が少ないか、勉強不足の可能性が、あるいはその両方の可能性があります。
私自身、卒直後にインプラント治療についてどのような説明を患者さまにしていたのかと振り返ってみると、『インプラントをするには、あなたは条件が悪い。』みたいなことをお話し、よほど条件が良いところにしか、インプラント治療を引き受けないスタンスだったと思います。
条件が悪いと判断するか、それほどでもないと判断するのかは、歯科医師の技術による面も多分に影響すると思います。
(だからと言って、インプラントの禁忌症にチャレンジするのは、論外ですが。)
またインプラントの材料的な進歩も、インプラントの成功を誘うことに寄与していると思います。
それらのインプラントの材料的な進歩については、常にアンテナをめぐらして、情報収集していないと入ってこないものです。
それゆえ、インプラントの経験が豊富なだけではなく、常に情報収集していなくては、優秀なインプラントロジストにはなれないということになります。