2008年4月アーカイブ
インプラント ケース:13
本日のインプラントは、下顎左側4番相当部。
抜歯後、歯根相当部の掻爬を徹底的に行い、そのままインプラント埋入です。
歯根根尖の4ミリ下には、下歯槽神経が存在するため、それよりも少ない骨量で初期固定を得なくてはなりません。
ぶれがなく正確な方向と長さのドリリングが当然のことながら必要となります。
本日は1本だけのインプラントでしたので、大した疲労感はありませんが、昨日のように、このような操作を5本も行うと、集中力を長時間持続させなくてはならないため、オペが終了すると疲労でぐったりとなります。
でも、痛みも腫れもなくインプラント埋入オペを終え、入れ歯を卒業して嬉しそうな顔をする患者さまの顔を見ると、そんな疲労感もどこかに吹き飛んでしまいます。
インプラント治療は歯科医師にしかできない行為ですが、安心で確実なインプラント治療を進化させるために、今後も研鑽を続けていきたいところです。
インプラント ケース:12
本日のインプラントは、下顎右側4・5・6・7・8番相当部。
抜歯を行うすべての歯牙に根尖病巣が存在しておりました。
これまでの堀歯科医院のインプラント治療ですと、抜歯→GBR→インプラント埋入という流れで治療が進行していたため、ファイナルまでの治療期間がどうしても長くなってしまっていました。
従来のインプラント治療と抜歯即時インプラントのメリット、デメリットを患者さまにお話して、今回は抜歯即時インプラントを行うこととなりました。
骨質が硬くD1に分類される症例だったため、麻酔が効くのにも時間がかかる上に、初期固定に利用するインプラント先端部分の骨をドリリングするのも通常のオペよりも時間がかかりました。
同じインプラント治療でも、骨量が十分で、骨質もD2かD3くらいの方の場合は、歯科医師、患者さまともにストレスフリーでしかも治療時間も短くなるのですけどね。
インプラント ケース:11
本日のインプラントは、左側下顎6・7番。
骨の高さは十分あるのですが、幅が極端に不足している症例でした。
そのような場合には、スプリットクレストというテクニックを使用します。
歯槽骨に溝を入れ、溝の間を徐々に拡大していきます。
また拡大していく過程で骨質がコンデンスされて密になるのもまたメリットといえるでしょう。
このテクニックを駆使しすると、幅の狭い歯槽骨でもインプラントが可能となります。
骨が不足している症例で、普通にドリリングをしてしまったら、インプラント周囲の骨がすっかりなくなってしまうからです。
この症例もCTシュミュレーションの結果、舌側に傾いていることが術前審査で明らかになっていたので、インプラントも傾斜埋入することにしました。
麻酔が覚めた頃に電話で状態を確認させていただきましたが、痛みもなく状態も安定していると聞きました。
水曜日は堀歯科医院も休診ですので、そのような確認の電話は患者さまだけでなく、私自身も安心することができるのがメリットといえます。
インプラント ケース:10
本日のインプラントは、上顎左側6番相当部。
この方は歯茎が痛いという主訴で来院されましたが、レントゲンを取ると根に大きな病気があることが判明しました。
今回十分に歯茎の治癒を待ち、インプラント埋入オペを行うこととなりました。
この方のCTのシュミュレーションでは、サイナスまで骨量がほとんどなく、初期固定を得るには大変テクニックが必要とされる症例であると術前に診断しておりました。
骨の質や量が不足している際に、コンデンスして少しでも条件を良くするテクニックがあるので、今回はそのテクニックを駆使し、何とか初期固定を可能な限り得ると共に、ソケットリフトも併用し、何とかインプラント埋入を遂行することができました。
インプラントも条件が悪くなると、様々なテクニックが必要とされることも多く、これまで歯周外科のテクニックを習得してきたことが今更ながらに役立っております。
うまく状態が安定することを期待します。
インプラント ケース:9
本日のインプラントは、下顎左側6・7番相当部。
パントモで診査したところ、一見顎骨は十分あるように見えるのですが、CTによるシュミュレーションをしたところ、舌側が大きくえぐれており、実は比較的難易度が高いことが判明しました。
このような症例では、舌側に穿孔することなく、頬側にも十分な骨量を維持する必要があるので、やはりCTによるシュミュレーションは有効であると考えています。
インプラントを埋入する方向を当初は比較的垂直的に考えていましたが、CTシュミュレーション後に若干内方へ傾けるような方向へ修正しました。
土曜日のインプラント埋入オペということもあり、十分に麻酔が覚めた時間にこちらから患者さまに問題がないかご連絡差し上げましたが、特に問題はないとのことで、ひとまずこちらも一安心です。
通常、堀歯科医院ではインプラント埋入した次の日には傷の状態を確認していますが、これは患者さまの不安を少しでも払拭する目的があります。
私にとっては当然考えられる想定内の反応であっても、患者さまにとっては、すべてがはじめての経験・体験であることも多いために、少しのことが不安に繋がる可能性があるからです。
とはいっても、次の日の消毒で何か問題があった症例はこれまで皆無ではあるので、お忙しい方は最短の来院可能日に来ていただくしかないのですが。
ともかく今週のインプラント埋入は無事終了し、安堵の気持ちで週末を迎える私でした。
インプラント ケース:8
インプラント希望の方が増えています。
インプラント埋入の方が1名とシュミュレーションが2名。
本日のインプラント埋入は上顎右側6番相当部。
この方は大変歯を大切にされて現在に至っているということもあり、今回のインプラント治療の施術部位も、私が診る限り抜歯時期が遅れてしまい、条件を悪くしてしまった症例でした。
そのようなケースでは、どうしても既存骨が不足していることが多く、いざインプラントを埋入しようとも、条件の良い通常のインプラント治療と同じようにはいかないことが多々あります。
私もだてに全国を飛び回っているわけではないので、条件の悪いインプラント治療の際にどのように対応したら良いのかについては、常にセミナーでご一緒させていただいた歯科医師の皆さんと情報交換をしたり、良さそうなセミナーがあれば積極的に参加しているという次第です。
今回も"あるテクニック"を駆使して、骨量の不足したインプラント治療を無事行うことができました。
ただ、術後に痛みや腫れがなく、しかも将来的にインプラント周囲組織が私がイメージした通りに治癒していないことには、インプラントの成功とはいえないと考えていますので、これからその方が少しでも早くインプラントでバリバリものを食べることができるようになるように、フォローしていくこととなります。