2009年2月アーカイブ

インプラント ケース : 30

本日のインプラントは上顎右側臼歯部。

ブリッジの手前の土台が虫歯になり、後ろの土台が悪影響を受けているために、ブリッジの手前の歯牙を抜歯するとともに、その部位とダミー部分にインプラントを2本埋入することとなった症例でした。

 

2009年2月23日

hori (22:09)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その13

インプラントのシュミュレーションが完了しました。

今回のインプラントは、下顎左側5番相当部。

同じく6・7番も欠損が認められるのですが、その患者さまは、比較的条件の良い5番相当部にインプラントを、若干条件の悪い6・7番は義歯を選択されました。

左下だけでなく下顎右側や上顎にも欠損があるので、今回のインプラント治療に満足された時点で、他の部位にもインプラント治療を選択されると良いと考えています。

インプラント治療は決して費用の安い治療ではありませんので、試しに条件の良い部位にしてみるというのも悪くはありません。

ただ、今回のケースでいえば、5・6・7番相当部に最初に5番だけにインプラントを埋入し、後から6.7番にもインプラント治療を行う場合と、最初から5・6・7番相当部にインプラント治療を行う場合とでは、同じようで同じではありません。

私としてはもちろん後者の方がおすすめです。

その理由としては、一つ目は前者の場合にはオペの回数が2回になってしまうことが上げられます。

また二つ目は、少ない本数のインプラントを奥のほうだけに埋入するというのは、その治療を行う歯科医師サイドの視点では、前の歯が邪魔になってしま い意外と治療がしにくいということ、さらにいえば、その治療を受けている患者さまも当然お口を開いている時間が長くなるということも考えられます。

そう意味ではインプラント治療がうまくいく条件には、患者さまの協力も少なからず関係があるといえるでしょう。

2009年2月18日

hori (01:35)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その12

昨年インプラント治療を受けられた方が来院されました。

昨年は右下6・7番相当部でしたが、今回は左下の5・6・7番相当部です。

前回もCTによるシュミュレーションを行った後のインプラント埋入でしたが、今回は先にGBRを行って条件を改善してからのインプラント埋入となります。

やはり初めてインプラント治療を行う場合には、条件の良い部分に行うことが多いので、今回のように、次に行う部位は骨質が良くなかったり、骨量が不足していることはよくあります。

今回は骨質はさほど悪くはないのですが、下歯槽神経から歯槽骨上縁までの骨の高さが不足しているために、GBRが必要と判断しました。

インプラント埋入とGBRを併用する方法もありますが、この方法であれば、GBRを行うタイミングは1回ですが、最初にGBRを行い、骨量が不足している場合には、インプラント埋入と同時に再度GBRをすることも可能となります。

すなわち、骨造成を行うタイミングは2回ということとなります。

インプラントそのものよりもGBRの方が難易度が高いために、GBRを2回行うことができるように、治療方針を立てる必要があると考えております。

hori (01:33)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その11

先日スプリットクレストを併用し、同時にインプラント埋入を行った方が術後の経過確認のために来院されました。

スプリットクレストとは、骨幅が不足した症例に対して、垂直的にスリットを入れ、その間にインプラントを埋入する術式です。

この方法を採用した場合、骨幅が不足している症例でも骨をドリリングで失うことは避けることができます。

堀歯科医院ではインプラントと歯列矯正の患者さまが来院されると、毎回症例写真を撮ることを常としておりますが、この方のインプラント埋入前の骨幅と比較すると4ミリ近く骨幅が増大させることができたことを確認しました。

後方の大臼歯部の歯肉形態とほぼ同程度まで幅が増大したことにより、歯磨きもしやすくなることでしょう。

現在のところ、ペリオテスト値は―3ということで、インプラントも比較的安定した状態と判断することが出来ました。

この方は、次回は次のステップに進むことになるでしょうね。

hori (01:31)

カテゴリ:治療例

より安全なインプラント治療を目指して : その5

3日前にインプラント埋入を行ったばかりの患者さまが来院されました。

この方はインプラントを歯肉を剥離しない(フラップレス)で、インプラントを埋入し、しかも即時加重を行った患者さまです。

インプラント埋入と同時にセラミックスのための型取りも同時に行っており、本日早くもセラミックスのセットとなりました。

同日に行った臼歯部インプラントは、将来的にはその方の体重と同じくらいの咬合力を受け止めなくてはならないために、じっくりとバイオインテグレーションが完了するのを待たなくてはなりません。

でも、今回のケースのように、部位によっては、そして骨質・骨量によっては、フラップレスで即時加重で、数日後にはファイナルセットという場合もあります。

これも常に患者さまに喜ばれる診療メニューを増やすことに余念がない、堀歯科医院のフィロソフィーがもたらす結果といえるでしょう。

hori (01:27)

カテゴリ:治療例

より安全なインプラント治療を目指して : その4

左側上顎3番相当部にインプラント埋入をされた方の、二次オペがありました。

ほんの少しだけ麻酔をした後に、レーザーでカバーキャップ上部の歯肉を蒸散していきます。

レーザーのない歯科医院ですと、メスで丸く歯肉を切るという操作が必要となるのですが、この処置をレーザーで行うことで、メスを使用せず、またそれゆえに出血もなく、インプラント上部にアバットを立てることが可能となります。

この方は本日プロビジョナルを仮着するところまで治療は進みました。

アバットの形態に沿って歯肉が治癒してくる時期を待ち、もうじきセラミックスの型取りの予定です。

hori (01:24)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その10

スプリットクレスト法を併用しインプラント治療を行った方もインプラントの状態が安定してきたので、次のステップに入ります。

本日、プロビジョナルを仮着し、咬み合わせの安定を図ることとなりました。

骨幅のない部位へのインプラントはスプリットクレスト法を併用する場合があるのですが、このスプリットクレスト法とは、骨を前後に溝を入れ、そこを徐々に広げて若木骨折させ、ドリリングによる骨の喪失を最小限に抑えるという方法です。

仮に幅のない骨に対して、通常通りドリリングを行ってしまうと、ただでさえ骨がないというのに、一層骨がないという状態になってしまいます。

今回の症例もスプリットクレスト法を併用した効果もあり、術前の状態よりも骨幅が広くなりインプラント周囲にも骨が存在しております。

このスプリットクレスト法は、セミナーなどでもアドバンス(上級者向け)の内容に含まれているものですが、日本人の欠損症例に対して、インプラント 治療を行う場合、いわゆる"上級者向けのテクニック"を併用しないと、インプラント埋入ができない、あるいはしにくいというケースは堀歯科医院では少なく ないように思います。

インプラント治療を希望される患者さまのニーズに応えるためには、あらゆる上級者向けのテクニックも当たり前に出来なければならないと考えております。

hori (01:23)

カテゴリ:治療例

堀歯科医院のインプラント治療への意気込み

インプラントセミナー参加のため、東京出張です。

今回はインプラントのシンポジウムということもあり、全国のインプラントを専門とする歯科医師がセミナー講師として、集合しています。

大人数の歯科医師を会場に集めたシンポジウム形式のセミナーは、突っ込んだお話や裏話的な内容を中々聞くことができない一方で、短時間に多くの歯科医師のインプラント治療に対する考え方を知ることができるというのが、何よりのメリットといえます。

主義主張の異なる歯科医師が自らのインプラント臨床について、『このような方法で治療を行った結果、例えば10年後にこのような結果となった』というようなデータを提示してくれるでしょうから、毎回セミナーを受講する度に、私の頭の中にそのようなデータが蓄積されます。

セミナー講師のインプラント治療の失敗を疑似体験することで、堀歯科医院でインプラント治療を受ける方には、それと同じ失敗を繰り返さないようにするために、他の歯科医師の行ったインプラント治療の失敗症例を目に焼き付けているのです。

堀歯科医院もインプラント症例がだいぶ増えてきましたが、それでもインプラント治療をはじめて20年、30年の歯科医師には症例数で遠く及びません。

その症例数の差を埋めるためにセミナーを受講していることになります。

hori (01:20)

カテゴリ:コラム

インプラントを含めた治療方針の立案

インプラントのシュミュレーションが終了したので、どこに何本のインプラントを埋入するかについて患者さまと相談しました。

この方は上下左右の臼歯部に歯牙欠損が認められ、すべての欠損部位にインプラントを埋入しようとすると、予算をだいぶオーバーしてしまうため、CT のデータをもとに、歯槽骨が各部位にどの程度あるのか、各部位の骨質はどの程度なのかについて大まかに説明し、最終的に何を目的にインプラント治療を行うか、考えていただくことにしました。

この症例の場合、大きく分けて、インプラント治療の目的は2通りあるかと思います。

一つはインプラント治療により義歯を小さくすること、もう一つはここにバネが欲しいというところにインプラントを埋入し、入れ歯をより安定させることです。

また別の観点では、骨造成をして理想的な部位へインプラントを埋入するのか、条件のよい部位へ骨造成なしでインプラント埋入するのかという選択もあります。

この方の場合、小臼歯付近は歯槽骨が比較的存在するのですが、歯槽骨が存在して欲しい最後方臼歯部付近には、必要とされる歯槽骨は存在しないという症例でした。

結果的には、この方の場合、GBRやサイナスリフトなどの骨造成をする場合には、それらの付加的な治療が必要がない場合よりも治療費がより多く必要となるために、条件の良い小臼歯部位にのみインプラントを埋入することで、現在使用している異物感の大きな義歯を積極的に小さくすることを最終的な目的とするという治療方針となりました。

やはり歯周病で自然脱落するぐらいまで患者さまサイドが放置したような歯牙や不適切な連結固定が行われていたような歯牙を抜歯しインプラント治療を行う場合には特に骨造成が必要となる症例が多くなるようです。

インプラント治療が歯科医師の治療オプションに含まれているかどうかでも抜歯・非抜歯をはじめとした治療方針は大きく異なることでしょう。

hori (01:17)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その9

インプラントセミナーで仙台出発です。

今回はインプラントセミナーといっても私がこれまで受講したものの中でも、特に上級者向けといっても過言ではないインプラントセミナーです。

歯周病専門医が行うインプラント治療と口腔外科専門医の行うインプラント治療には、やはり違いがあります。

その違いとは、口腔外科専門医は人工の材料ではなく天然の材料の使用を好むことでしょうか。

インプラント治療を行う際には、埋入する部位の周囲に歯槽骨が不足していることは少なくないのですが、この歯槽骨が不足した場合に、人工骨を使用するのではなく、自家骨を使用することがこの口腔外科専門医の場合には多いということになります。

骨のクオリティーはやはり自家骨に勝るものはないのですが、やはり大量に必要とする場合には、その患者さまの身体の他の場所から持ってくることとなります。

腰や脛、オトガイ、下顎枝などから採取することが多いですね。

今月予定のインプラント治療は歯槽骨も付着歯肉も不足している症例なので、どのようにアプローチすれば最も効果的か、インプラントセミナーを受講しながら考えることとなります。

今週もインプラントセミナー参加のため、私の土曜日の堀歯科医院の診療をお休みさせていただきますが、他の歯科医師は通常通り診療を行っておりますので、ご安心ください。

hori (01:14)

カテゴリ:研修・セミナー受講

長期に安定したインプラントを目指して : その8

上顎右側臼歯部のインプラントのファイナルの型取りがありました。

臼歯部には大きな咬合力がかかるために、堀歯科医院では臼歯部へのインプラントは可能な限り多くのインプラントを埋入するべきであると考えています。

頭で考えると、後から追加でインプラントを1本埋入することも悪い手ではないように思えるのですが、まとまった本数のインプラントを埋入するのと比 較し、追加の1本埋入は意外と困難となるケースも多いため、時に抜歯した歯牙よりも多くの本数のインプラントを埋入することもあります。

(先に埋入したインプラントあるいはその上部構造物が歯科医師の視界をさえぎる結果となるからです。)

また歯科医師によっては、あえて最後方に1本多くインプラントを埋入し、いわゆるスリープさせておく治療プランを取る方もいるくらいです。

(スリープ・インプラントとは、インプラント埋入だけを行い、上部構造物は立てずに咬合力に対抗するインプラントの本数が不足する場合に、そのスリープさせていたインプラントを使用するという主旨で埋入されたものです。)

私はスリープにしておくくらいなら、最初からファイナルに加えて咬み合わせに参加させた方が良かろうという考えで、インプラント治療を行っていますので、最大本数のインプラントを提示し、後は患者さまの予算に応じてインプラントの本数を減ずるという治療方針となります。

神様が与えてくれた天然の歯牙が何かしらの原因で喪失することになったわけですから、"作り物"としてのインプラントについては、考えられるすべてのことを行っておいた方が無難だと考えています。

ただ患者さまの予算もあることなので、歯科医師サイドが理想を振りかざすだけではだめでしょうけれど。 

hori (01:11)

カテゴリ:治療例

インプラント四方山話 : その2

インプラントセミナーでソウルに出張していた私ですが、懇親会では講師のリー先生の隣の席を陣取ることが出来ました。

社交的なリー先生とはいえ、やはり外国人。

インプラントセミナー受講者も同じように日本からセミナーを受講している歯科医師の近くに席を取ります。

やはり日本人同士で会話する方が心理的なストレスは少ないでしょうから、無理もないはずです。

私は英会話が特別得意というわけではないですが、韓国人にとっても英語は外国語のはず!

『せっかくのこの機会に積極的に話しかけよう!』と思いました。

韓国ではインプラントの分野では著名なリー先生ですが、懇親会会場の焼肉店では率先して、肉を焼いたり、それを皿に載せてくれたりと、私たちをもてなして下さいました。

私がお会いした歯科医師も、やはり一流の方は低姿勢・謙虚であることが多いように感じます。

そんなリー先生は、私の拙い英語を一生懸命理解しようとしてくれたこともあり、お互い何とか意思疎通ができたのでした。

インプラントはもちろん、韓国の歯科事情、韓国発の歯科医院フランチャイズ、リー先生の歯科医院での出来事など、お話した内容は多岐に渡りました。

韓国人であるリー先生は、朝鮮語と公用語である英語、日本人である私は日本語と、公用語である英語を少々、ということで、最初から英語で会話をすることになりました。

韓国でもエグゼクティブは通常英語での会話が可能となりますが、やはりその国に出向いた際には、その国の母国語を少しでも勉強してから出かけた方がいいかもしれません。

今回宿泊したホテルで英語でホテルマンに話しかけたのですが、今ひとつ通じず、しまいには分かる人を探しに行こうとしたのもしれませんが、その方には逃げられてしまいました。

一方、東京でインプラントセミナーが開催された際には、そのホテルのフロントに外国人が何かを尋ねようと近寄った際に、フロントのホテルマンが奥のほうに逃げた様子を目撃したことがありました。

一流ホテルではそのようなことはないのでしょうけれど、日本も韓国もある一面では似たようなレベルなのかもしれません。

インプラントの分野では、私をはじめ多くの歯科医師が韓国に勉強に出かけています。

その理由はといえば、単純にあるインプラントのある特定の分野では日本よりも韓国の方が進んでいるからです。

今回一緒にインプラントセミナーに参加した歯科医師が、『私が大学を卒業した時には、韓国にインプラント治療を勉強に出かけることなんて考えられなかったのに、いつの間に日本は韓国に抜かれてしまったのだろうね?』と話をされていたのが印象に残りました。

韓国での美容整形のように費用対効果が高ければ、人間はどこにでも出かける時代になってきていると思います。

インプラントひとつ考えてみても、ライバルは仙台市内のインプラントロジストだけではなく、韓国をはじめとした海外のインプラントロジストも私のライバルとなる時代がもうすぐそこまで来ているかもしれません。

hori (01:09)

カテゴリ:コラム

インプラント四方山話 : その1

インプラントセミナーで横浜出張でした。

今回の講師は大学病院のインプラント科の歯科医師。

いくつかの大学病院のインプラント治療の現在の状況についておぼろげながらに理解することができました。

昨今、多くの大学病院でインプラント治療は行われていますが、インプラントの症例数は必ずしも多くはないという印象を受けました。

その理由を考えるに、開業歯科医師はインプラント治療を行う際に、1本のインプラント埋入に対しても、径や長さの異なるインプラントを複数用意し、 実際の条件に合わせて埋入するインプラントを選択することが一般的ですが、大学病院ではそのようなことが許されない条件下でインプラント治療を行っている ことが多いそうなのです。

すなわち、インプラントに関するあらゆる詳細な検査を行うことは可能でも、当日のインプラントオペに関しては、全く予定変更が効かないということなのです。

(確実に埋入可能なインプラントのみ施術するということになるのでしょう。)

また別のインプラントセミナーで私が懇親会でお会いした大学病院勤務の歯科医師の話では、誤って床に落とした場合のインプラントの予備すらも少し前までは許されなかったと聞きます。

(交渉につぐ交渉の末、それについては、現在は改善されたそうですが。)

そのようなある意味過酷な条件でインプラント治療を行うことを余儀なくされている大学所属の歯科医師は、当然のことながら、現在話題に上ることが多 い即時負荷インプラントについて、積極的にエビデンスを集めていこうという流れが起きにくいのではないかと考えてしまいました。

質疑応答の中で、即時負荷インプラントを行っている割合は、ある大学病院のインプラント科では、1%にも満たないとのことでしたので、いかに大学病院では即時負荷インプラントが主流ではないということが分かりました。

今回お聞きした中でもっとも高い大学で13%程度でした。

即時負荷インプラントに対するコンセンサスはまだまだ不完全である印象があり、開業歯科医師のインプラントロジスト仲間の間では、大学所属の歯科医 師にそれに対するクライテリアを求める期待が大きくなっている状態かと思うのですが、大学の状態を考えると、私たち開業歯科医師が率先して即時負荷インプ ラントについてのEBMを確立しなくてはならないのかもしれません。

hori (01:00)

カテゴリ:コラム

より審美的なインプラント治療を目指して : その1

上顎中切歯に抜歯即時インプラント埋入治療を行った方が来院されました。

インプラント埋入と同時に人工歯を接着することにより、荷重をかけることなく審美的な問題は解決することができました。

本日はジンジバルカフを削合し、上部にプロビジョナルを装着しました。

今日から少しずつインプラントにも負荷をかけていき経過を追っていく予定です。

その状態が安定していれば、アバットを装着し、再度プロビジョナルを作製する予定です。

上顎中切歯1本のインプラント治療は、反対側の天然歯とのバランスをいかに取るかが鍵となります。

セラミックスの形態や色調はもちろん、セラミックス周囲の歯肉形態なども左右対称にすることが目標となります。

今回はメタルのアバットメントを使用する予定ですが、やはりメタルアバットメントを前歯部に装着すると、若干歯肉部分にシャドーが入るのが私としては少々気になります。

患者さまはそれについてさほど気にならないとのことだったので、当初の予定通りメタルアバットメントを使用することとなりました。

インプラント上部のアバットメントもいずれセラミックスのカスタムアバットメントが主流になる時代が近い将来来ることでしょう。

hori (00:56)

カテゴリ:治療例

より審美的なインプラント治療を目指して : その1

上顎中切歯に抜歯即時インプラント埋入治療を行った方が来院されました。

インプラント埋入と同時に人工歯を接着することにより、荷重をかけることなく審美的な問題は解決することができました。

本日はジンジバルカフを削合し、上部にプロビジョナルを装着しました。

今日から少しずつインプラントにも負荷をかけていき経過を追っていく予定です。

その状態が安定していれば、アバットを装着し、再度プロビジョナルを作製する予定です。

上顎中切歯1本のインプラント治療は、反対側の天然歯とのバランスをいかに取るかが鍵となります。

セラミックスの形態や色調はもちろん、セラミックス周囲の歯肉形態なども左右対称にすることが目標となります。

今回はメタルのアバットメントを使用する予定ですが、やはりメタルアバットメントを前歯部に装着すると、若干歯肉部分にシャドーが入るのが私としては少々気になります。

患者さまはそれについてさほど気にならないとのことだったので、当初の予定通りメタルアバットメントを使用することとなりました。

インプラント上部のアバットメントもいずれセラミックスのカスタムアバットメントが主流になる時代が近い将来来ることでしょう。

hori (00:56)

カテゴリ:治療例

私にとって、インプラント治療とは

インプラントセミナー参加のため、仙台出発です。

堀歯科医院のブログで、インプラントはそろそろ得られる知識が横ばいになってきたとお話ししたばかりなのですが、やはり今週末もインプラントセミナー参加のため、東京に出張です。

インプラントも普通に埋入し、ただ咬めればよいというものであれば、材料の進歩にも助けられ、さほど難易度は高くない時代になってきた印象があります。

しかしながら、長期に亘って使用可能で、かつ審美的なインプラント治療というのは、意外と難易度が高いという印象もあります。

私は、『堀歯科医院のインプラント治療は長期に亘って使用可能で、かつ審美的に安定したものにしたい!』と考えているので、インプラントが審美的に安定するために必要とされるすべての要件を頭に入れておきたいと常々考えています。

(これらの要件は、各インプラントロジストがそれぞれの経験から導き出しているものであるために、なるべく多くのインプラントロジストの意見を聴く必要があると考えているのです。)

皆さんは意外に感じられるかもしれませんが、私が歯学部に6年間在籍して、インプラントについて教わったことはほぼ皆無です。

というのも、インプラントという科目が存在せず、特別講義で1コマ聴講しただけと記憶していますから。

今でこそ、どこの歯科医院でも当たり前にインプラント治療を行っている印象があるくらい、インプラント全盛のような感がありますが、ちょっと前までは、『医師としてインプラントなぞ、するべきではない!』と声高に言い放つ歯科医師もいたくらいです。

そのくらい、インプラントの予知性について、不安視されていた時代もあったのです。

また、少なくとも私よりも歯科医師免許を早く取得した歯科医師は当然インプラントを大学で学んでおらず、インプラントについて学ぼうとするなら、大学卒業後に自腹で研鑽を積むしか道はなかったのです。

いつ頃からインプラント学が大学の単位になったのか分かりませんが、ごく最近になってからの頃かと思います。

私が歯学部の学生だった頃は、口腔外科ではインプラントは普通に行われていたのですが、まだエビデンスに乏しかったのかもしれません。

また、大学によっては、早期にインプラントを学生に講義をしていたところもあったかもしれませんが。

私としては学生時代に勉強していない以上、卒業してからインプラントを学ぶのは当たり前であると思うのですが、同業歯科医師に会うと、『インプラント、頑張っているね。』などと声をかけられることも多く、若干の違和感を感じるのも事実です。

10年も昔になりますが、あるインプラントロジストに、『インプラントするならそれについてしっかり勉強すること。勉強しないならインプラントなぞ気軽に行わないこと。』と言われたことが、昨日のことのように思い出されます。

hori (00:53)

カテゴリ:コラム

長期に安定したインプラントを目指して : その7

セラミックスの型取りがありました。

カンチレバー型のブリッジの後方歯牙が外れ、前方の土台のみでブリッジが維持されていたために、後方歯牙が虫歯になっていた症例でした。

このような症例では、ブリッジ自体が外れずそのままになっていることも多く、虫歯の発見が遅れることも少なくありません。

今回は歯牙とクラウンの間のセメントがすっかり溶出しているだけで、内部の虫歯の進行は軽度であったため、そのままセラミックスの型取りに入ることができました。

次回セラミックスのセット後には、その後方にインプラントを埋入する予定となっています。

最後方歯牙相当部にインプラントを埋入することで、それより前方の歯牙を守ることが可能となるので、このインプラントの存在する意義は極めて大きいと考えています。

そういう意味では、インプラントは予防歯科なのです。

hori (00:50)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その6

インプラントの型取りがありました。

今回のインプラントは下顎臼歯部。

2本連結のインプラントです。

ブリッジを切断した状態で、歯列矯正を行い、歯列不正が除去された状態で、かつてはダミーがあった部分に、インプラントです。

少し前までは、欠損があるとすぐにブリッジ、ブリッジが出来ない状態なら、入れ歯という治療プランが一般的でしたが、現在は歯牙が欠損した際の治療オプションの第一選択はインプラントです。

後は、担当歯科医師の技量次第で、インプラントという治療方針が厳しければ、他の治療プランを選択せざるを得ないというケースも出てきます。

一般的にインプラントの難症例に分類される症例であっても、予知性を約束できる歯科医師でありたいものです。

またインプラント治療を行いやすくするために、歯列矯正というツールを用いた方が良いという症例は少なくありません。

インプラントにしても歯列矯正にしても、患者さまの安定した咬み合わせを構築するための一つのツールに過ぎないということになります。

hori (00:49)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その5

インプラントのファイナルセットがありました。

この方のお口の中は、一見クラウドはそれほどないものの、前歯部の正中が右に大きく偏位しており審美的でない点、そして臼歯部にも片側だけ近心傾斜 の程度が大きく若干の挺出傾向にある点、クラウドが少ないというよりも前医が歯牙の重なっている部位を抜歯してしまっているために、咬み合わせの安定を優 先させると、逆にスペースが生じてしまう点などが問題点として挙げられました。

まず歯列矯正で歯牙を左右対称に配列することで、咬み合わせはだいぶ安定してきました。

本来歯牙は上下でうまく咬み合うような形態になっているので、クラウンやブリッジ、そして形態が劣形な歯牙や重度の咬耗がなければ咬み合わせは安定することが多いように思います。

(咬耗の少ない患者さまの歯列矯正がフィニッシュしたときには、真っ直ぐに咬んでもらった時だけでなく、前後左右に歯ぎしりをしてもらった際にも理 想的な咬み合わせが構築されていて、神が与えてくれた歯牙の形態がいかにパーフェクトなものかと思い知らされることがあります。)

この方の場合には、ブリッジ部分を切断して歯列矯正を開始しましたので、歯列矯正が完了した時点で、かつてのダミー部分にインプラント埋入です。

本日インプラントを埋入した部位へのセラミックスがセットされ、ひとまず大きい部分の治療が終了となりました。

臼歯部の咬み合わせに問題がある方は、犬歯が咬耗でおおきく欠損しているケースも多く、歯列矯正後に歯牙を配列して終了というわけにはいきません。

咬合調整を続け、咬み合わせが安定した時点ではじめて治療が終了となります。

一人の患者さまの失われた口腔機能を回復させるために、 顎関節、咬み合わせ、審美歯科を含めた補綴治療、インプラント、歯列矯正など多くの分野の知識やテクニックが必要となります。

私もここ数年でだいぶ以前は見えていなかったものも見えてくるようになったように感じていますが、先人の失敗を疑似体験するべくセミナー受講を含めた勉強を続け、治療の長期安定に反映させることができるようにしていきたいと考えています。

hori (00:47)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その4

先日、埋入したインプラント周囲の軟組織の条件を良くするために、遊離歯肉移植術を行った患者さまが来院されました。

遊離歯肉移植術とは、口蓋部分から歯肉を切除し、その歯肉を歯肉が不足している部位へと移植するテクニックです。

口蓋部分はそのままにしておくと当然痛みが出ますから、人工歯肉で創面を保護します。

移植を行ってから10日近く経過しましたが、口蓋のくぼんだ状態もだいぶ盛り上がってきており、順調な治癒状態です。

1ヶ月も経つと口蓋部分は、ほぼ元の状態に回復するはずです。

遊離歯肉移植術は、大口蓋動脈だけを気をつければ、特に危険なオペではありません。

大口蓋動脈は割と太い栄養血管であるために、それが走行している付近の歯肉を移植片として利用しても、時間が経つと概ね元の状態に戻るのです。

一方、歯肉を移植した方の歯肉は最初は反対側と比較しても盛り上がった状態でしたが、次第に移行的な歯肉になってきています。

骨でも歯肉でも移植片は多少は萎縮した状態で、正嫡しますので、予め多めの量の移植片が必要となるでしょう。

私がインプラント周囲の歯肉にこだわるのは、歯肉の量が不足している部位ではやはり歯肉退縮が起きやすいだけではなく、歯肉退縮が起きる際には歯槽骨レベルが下がることが多いからです。

機能的に長期に渡り安定した状態のインプラントは、審美的に見ても長期に安定していることが多いです。

やはり審美と機能は別々なものではなく、機能を追及していくと審美的レベルも向上するということになるのでしょう。

hori (00:42)

カテゴリ:治療例

より安全なインプラント治療を目指して : その3

堀歯科医院では、インプラント治療に先立ち、CTによるシュミュレーションを行っております。

今回のインプラントは下顎臼歯部を中心に行うことなりますが、シュミュレーションでは、下顎が内側にくびれた形態であることが判明しました。

そのような歯槽骨が内側にくびれた形態の場合、CT撮影なしでは内側に穿孔するリスクが高まります。

また歯槽骨の骨密度が数字で評価できるので、インプラント埋入前にドリリングがどの程度スムースに行うことができるかの予想が出来ます。

また歯槽骨は皮質骨という硬い骨と海綿骨という柔らかい骨で構成されており、外側の皮質骨の厚い場合には当然麻酔が効きにくいことが予想されます。

予め麻酔の量を増減させることも可能となるのです。

患者さまサイドでは、硬い歯槽骨の方が埋入したインプラントは長期安定に役立つだろうと考える方も多いのですが、あまり歯槽骨が硬すぎる場合には、逆に結果が悪くなることも少なくありません。

これはドリリングの際に熱が発生してしまうために、骨細胞が壊死を起こしてしまう場合や、そもそも硬い骨には生きた細胞が少ないために、インプラントと歯槽骨とのオステオインテグレーションがスムースに行われないという欠点があります。

かつてはCT撮影せずにインプラント治療を行う歯科医師がほとんどでしたが、現在はインプラント治療時にCTデータを使用する歯科医師が増えてきていると聞きます。

『CTなしでインプラント治療をする歯科医師は暗い夜道を提灯を下げて歩いている状態とすれば、CTデータをもとにインプラント治療を行っている歯科医師は、キセノンライトを下げて夜道を歩いている状態である。』という例えを、とあるインプラントセミナーで聞きました。

(CTなしでもインプラント治療は可能ではあるが、情報が少ない状態でのインプラント治療となるために、予期せぬ失敗が発生しやすいということです。)

提灯でもキセノンライトでもそれを携えて夜道を歩くことはできますが、キセノンライトをぶら下げて歩くことに慣れてしまった人間は怖くて提灯に戻ることは出来ません。

昔から提灯を下げて歩いてきた人間はそれが実は怖いことであると認識時点で、キセノンライトに変更すればよいというお話でした。

これはインプラントに関連したたとえ話ですが、日常生活でもたとえ話を有効に活用することで、話を聞いている相手の理解が深まるというケースは少なくないことでしょう。

hori (00:40)

カテゴリ:治療例

より安全なインプラント治療を目指して : その2

本日のインプラントは下顎左側小臼歯部、のはずでした。

というのも、こちらは準備を万全に整え、『さっそくインプラントを埋入しようか。』と思ったその矢先、患者さまが『先生、何だか気分が悪いです。』というではありませんか。

酸素吸入を行い、状態が安定した後に再度インプラント治療を試みるということも考えましたが、歯列矯正セミナー参加のため、仙台駅に向けて出発する時間が決まっていたので、予定時刻を延長するようなオペは避けることにしました。

インプラント治療を行う歯科医師も治療を受ける患者さまも、夕方になると疲労が蓄積してきます。

できれば午前中にインプラント治療を行うのがベストでしょう。

一方、オペの延期のような事態の際に忘れてならないのが、インプラント治療に関わる器具の滅菌コストです。

安心・確実なインプラント治療を行うために、使用する器具は滅菌するわけですが、それらを行うにも費用が発生します。

(手指や器具に付着したバクテリア等の数を減らすことを"消毒"といい、それらをゼロにすることを"滅菌"といいます。

すなわち、滅菌とは消毒を超えたレベルの清潔な状態なのです。)

また使用するものの中には使い捨てのものもあり、これらは袋を開けたら、仮に使用しなくても再利用はできません。

そのまま廃棄になるのです。

これらのコストはインプラント治療を延期するという時点で、二重にかかってしまうのです。

今まではインプラント治療の前には、体調が良好かどうか確認の電話を差し上げていたはずなのですが、今回のように1本だけのインプラント埋入ということで、こちらから確認の電話をしないでしまったようなのです。

重篤なミスは、小さな複数のミスを偶然にも重ねて犯してしまうのと同時に、そこに不可抗力的な不運も加わり発生するもの課と思います。

安心・確実なインプラント治療を行うために、一見些細な小さなミスを確実に潰していくことが必要があると反省しました。

hori (00:36)

カテゴリ:治療例

新素材の人工骨でインプラント治療に革命か!?

インプラント治療に際して、インプラントを埋入する部位に歯槽骨が不足しているケースは少なくありません。

そのようなときに、自家骨あるいは人工骨を使用することが多いのですが、自家骨にしても人工骨にしても一長一短で全ての面で、もう一方のものよりも優れているわけではありません。

自家骨は生体との馴染みが良いというメリットがある一方で、患者さまの外科的侵襲が大きくなってしまうデメリットがあります。

人工骨は歯科医師が業者から購入してそれを使用するという面で容易に使用できるメリットがあるという一方で、自家骨と比較すると歯槽骨に置き換わるパーセンテージが小さいというのがデメリットといえます。

そんな中、患者さまの歯槽骨の3次元的な欠損形態をあらかじめCTで計測し、その形態にあわせた人工骨片を実際のインプラント治療の前に作製しておくことで、必要十分な量のGBRが可能となると考えられます。

またこれまでの人工骨とは異なり、患者さま自身の細胞や血管が内部に入めるような形態に作られているために、より自家骨のクオリティーに近い状態にすることが可能となったと聞きます。

堀歯科医院のブログで何度となくお話しているように、インプラント治療は材料の進歩と共に進化し続けているという側面がありますので、この人工骨の新素材もきっと明日のインプラント治療をより確実なものにしてくれるはずです。

まだまだ大学で臨床試験の段階とのことですが、その後を期待したいところです。

***********************

オーダーメイドで人工骨
2008年9月29日 河北新報

 ネクスト21と高戸毅教授, 鄭雄一教授は, 三次元プリンターを活用した, カタムメード型人工骨の共同開発を行っているが, このほど, 人工骨素材の改良に成功した.

 手術は, 事前にコンピューター断層撮影装置(CT)を基に患部の石こうモデルを作り, 執刀外科医が欠損部位の形状を手作業で造成する.

その後CTで造成部位を  撮影し, データをコンピューターで抽出, そのままプリンターで人工骨を作製する.

外部の形状はもとより, 骨内部の構成の製造も自在だが, これらを可能にしたのが粒子の大きさを工夫し, α-TCPの粉と独自の組成を持つ硬化液により, 加熱が不要で, 自骨との親和性が高い新しい人工骨素材である.

臨床試験では, 骨の再生の促進も確認された. 今後は, 臨床試験を行いながら, さらに強度が高く, 骨の置換が速い人工骨の開発を進める.

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hori (00:31)

カテゴリ:コラム

水泳好きの入れ歯を入れている女性のあなたに

先日、水泳をするためにスポーツクラブに出かけました。アップがてら水中でストレッチをしていると、ある中年女性がシャワーを浴びてプールの方へやってきました。

そしておもむろに、左右の親指を上顎の奥歯に当て、入れ歯を顎の方にぎゅーっと抑えているではありませんか!

私にはその方が『今回は入れ歯が外れないでくれ!』と祈るような表情をしているように見えました。

入れ歯は大きく口を開いたりすると外れやすいので、水泳の息継ぎの際には特に、入れ歯が外れはしまいかと気になるのでしょう。

入れ歯を入れていることはやはり他人に知られたくはないものですが、そのような行動ひとつで、実際には口の中を見なくても、勘の良い人なら歯科医療に携わっていない方にも、入れ歯を入れていることを気付かれてしまいます。

堀歯科医院にはご主人にも入れ歯を入れていることを秘密にしているという方が来院されています。

しかも、友人と旅行に出かけても絶対に入れ歯を外さないという徹底ぶりです。

この方を含め、インプラントができない理由がある方、あるいはインプラントという方法があるということを知った上で入れ歯を選択されている方には、それ以上インプラントについてお話をする必要はないと考えていますが、それ以外の患者さまには、1 現在ではインプラントという優れた方法があること、2 一般的には数ヶ月で入れ歯を卒業することができ、ケースによってはその日に卒業することが可能であることを説明する必要があると私は考えています。

ただし、インプラントは医学的にはベストでも、費用的には高額になってしまうのが欠点ともいえます。

(一般的には1本あたり、30万から40万くらい必要となることが多いです。)

仮にインプラントが1本が10年もったとすれば、一日あたりおよそ82円の投資です。

(1本30万の場合です。)

一日82円が高いか安いはさておき、歯科では歯牙を喪失した際の第一選択はインプラントです。

ただ残念なことにインプラントを行っている歯科医師は全体の2割か3割程度なものです。

そしてもっと言えば、自分の診療メニューにない治療方針は、わざわざ時間を割いて患者さまに説明することはないので、インプラント治療を行わない歯科医師が在籍する歯科医院では、入れ歯かブリッジの治療方針のみとなることが一般的です。

(同じことが歯列矯正でもいえます。)

そのような歯科医院では、第一選択がブリッジでブリッジが不適当な欠損形態であれば、治療方針は入れ歯ということになります。

訴訟の多いアメリカでは、インプラントという治療方針を提示しなかったために、歯科医師サイドが負けたという事例があったと聞きます。

まだ日本ではそのような事例はありませんが、日本はアメリカの10年後、15年後を追いかけているそうです。

もしそのようなことが本当ならば、歯科医師がインプラントを治療方針として提示しないことで、患者さまに訴えられる日が、今後日本でも到来するかもしれません。

hori (00:29)

カテゴリ:コラム

長期に安定したインプラントを目指して : その3

インプラント相談の方が来院されました。

上顎中切歯が真っ二つに割れてしまい、保存しようにも保存できない状態でした。 

この歯牙は、歯の神経に炎症が生じ、根の治療を施した経緯があったので、私も『破折の危険があるから、適当な時期に土台を入れて被せた方がいいですよ。』とお話していたのですが、ある日突然その歯牙が真っ二つに破折したために、慌てて堀歯科医院に来院されたそうなのです。

やはり歯列から飛び出た歯牙は他の歯牙よりも打撲する危険があるでしょうし、打撲すれば根の治療が必要になることもあることでしょう。

根の治療をしても、歯牙の位置が以前と変わらないわけですから、再度打撲すれば次は歯牙が破折しても全く不思議はありません。

最初から突出した歯牙を歯列内に排列するために、歯列矯正を行っていれば、こんなことにはならなかったのではないでしょうか。

また一般に歯列から突出した歯牙がある口腔内には、それとは対照的に歯列に入り込んでしまって機能できないでいる歯牙があるものです。

破折した歯牙を抜歯してインプラント治療を行うことももちろん可能ですが、その内部に入り込んだ歯牙がインプラント埋入を邪魔することも少なくないようにも思います。

破折した歯牙を抜歯してインプラントという治療方針は、最も安直な治療方針ですが、その歯牙を何故喪失することになったのかまで考えると、少なくとももっと良い治療方針はあるはずだと思います。

インプラント治療だけでは真の患者さまの満足は得られないことになるということでしょう。

長期の安定したインプラント治療には、結構な割合で歯列矯正治療が必要となるということが私の中で確信になりつつあります。

これから必要とされるのは、予防歯科としての歯列矯正なのだと考えております。

hori (00:25)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その3

インプラント相談の方が来院されました。

上顎中切歯が真っ二つに割れてしまい、保存しようにも保存できない状態でした。 

この歯牙は、歯の神経に炎症が生じ、根の治療を施した経緯があったので、私も『破折の危険があるから、適当な時期に土台を入れて被せた方がいいですよ。』とお話していたのですが、ある日突然その歯牙が真っ二つに破折したために、慌てて堀歯科医院に来院されたそうなのです。

やはり歯列から飛び出た歯牙は他の歯牙よりも打撲する危険があるでしょうし、打撲すれば根の治療が必要になることもあることでしょう。

根の治療をしても、歯牙の位置が以前と変わらないわけですから、再度打撲すれば次は歯牙が破折しても全く不思議はありません。

最初から突出した歯牙を歯列内に排列するために、歯列矯正を行っていれば、こんなことにはならなかったのではないでしょうか。

また一般に歯列から突出した歯牙がある口腔内には、それとは対照的に歯列に入り込んでしまって機能できないでいる歯牙があるものです。

破折した歯牙を抜歯してインプラント治療を行うことももちろん可能ですが、その内部に入り込んだ歯牙がインプラント埋入を邪魔することも少なくないようにも思います。

破折した歯牙を抜歯してインプラントという治療方針は、最も安直な治療方針ですが、その歯牙を何故喪失することになったのかまで考えると、少なくとももっと良い治療方針はあるはずだと思います。

インプラント治療だけでは真の患者さまの満足は得られないことになるということでしょう。

長期の安定したインプラント治療には、結構な割合で歯列矯正治療が必要となるということが私の中で確信になりつつあります。

これから必要とされるのは、予防歯科としての歯列矯正なのだと考えております。

hori (00:25)

カテゴリ:治療例

オール オン 4(オールオンフォー)って、何?!

先日お昼の"笑っていいとも"の中で、皮膚科や歯科などの美人女医を集めて、一問一答式で質問を繰り返すコーナーがありました。

皮膚科や美容整形などの美人女医の方もいましたが、その中でもやはり歯科の美人女医とタレントとの皆さんとのやり取りは、興味深く拝見させていただきました。

最初に出された質問に『これは!と思う技術は?』というものがあり、歯科の美人女医の方は、『オール オン 4』と回答されていました。

この"オール オン 4(オールオンフォー)"とは歯が1本もない、いわゆる無歯顎の状態にインプラントを4本埋入し、その上に入れ歯を固定してしまうという治療方法です。

01501_02AllOn4.jpg

またこのオールオン4は、午前中にインプラントの埋入オペを済ませれば、午後にはその上部構造物をセットできるとうコンセプトで治療が行われています。

入れ歯と言っても、完全に固定してしまうので、患者さまの感覚としては入れ歯という感覚はないそうです。

ただ"オール オン4"という言葉だけが先行してしまった感があるので、どのような症例でも4本のインプラントで治療を行うことができるとは考えない方が良いと思います。

咬合力がさほど大きくない患者さまに対して、歯槽骨の状態が良く、長いインプラントを埋入できるケースでこそ、オール オン4の適応かと考えています。

さて、オールオン4に対するタレントさんのリアクションとしては、オールオン4は当然聞いたこともなく、それ以前にインプラントというもの自体、あまり馴染みがないという状態で、『インプラントって、何?!』という声が飛び交いました。

インプラントもまだまだ知名度が低いのが実情なのかもしれません。

hori (00:23)

カテゴリ:種類

より安全なインプラントを目指して : その1

インプラント希望の患者さまに、いつも通りCT撮影後にシュミュレーションを行ったのですが、神経・血管の走行が通常の場合と異なるため、レントゲン読影のスペシャリストに症例相談することにしました。

堀歯科医院が休診の水曜日に東北大学歯学部に出かけるつもりだったのですが、レントゲンの担当医が出張だったため、診療終了後にでかけることになりました。

このようなケースはパノラマレントゲンにはなかなかきれいに写ってこないものなので、実際のインプラント埋入前のCT撮影がやはり安全です。

解剖学も一般的な形態は学問として学ぶわけですが、実際の神経・血管の走行は当然のことながら、患者さまによって異なりますから、慎重に診査してもし過ぎることはありません。

私がこれまで東北大学のレントゲン科に相談に出かけたのは2回だけですが、たまたま私が所属していた講座の隣の講座がこのレントゲン科であったために、ポストが上の方の歯科医師のほとんどは見知った顔です。

文献的な内容も含めて情報収集してこようと考えています。

hori (00:20)

カテゴリ:治療例

インプラントの治療期間を短縮するために : その1

インプラントの抜歯即時埋入をされた方も免荷期間を終えました。

本日アバットメントを立てプロビジョナルになりました。

ペリオテストでインプラントが歯槽骨にバイオインテグレーションするのを逐一記録していますが、今回基準を満たしたので、咬合力をかけていくことにしました。

この方も初診で私が拝見した際には、大きな病気が根の周りに存在(歯根膿胞)するために、ほとんどの歯科医師はインプラント治療自体を断念した症例だったのではないかと考えています。

通常であれば、1回目は抜歯だけを行う治療、2回目はほぼ全くと言っても良いほど喪失してしまった歯槽骨を再生させる治療、そして3回目でようやくインプラント埋入という順序となります。

堀歯科医院では少しくらい大きな病気が根にあろうとも、抜歯と同時にインプラントを埋入し、麻酔をする回数を減らすことで、患者さまの感じるストレスを可能な限り減らす努力をしております。

私自身のインプラントスキルの向上もありますが、やはり材料の進歩も近年目ざましいものがあります。

スキル向上のための研鑚だけではなく、材料学に対するたゆまぬ情報収集がやはり必要であるということでしょう。

hori (00:18)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その2

インプラント希望の方が来院されました。

今回のインプラントは下顎小臼歯部。

ブリッジの土台の歯が保存不可能となったケースでした。

神経・血管が近くを走行しているので、そこを避けてインプラントを埋入する必要があります。

また抜歯即時でインプラントを埋入する際には、抜歯後の骨のリモデリングを予想し、若干深めに埋めなくてはなりません。

すなわち、短めのインプラントを深めに埋入するということになります。

また短めのインプラントを使用するということは本数を間引きしない方が無難であるということも意味します。

顎運動のしやすい方向には過大な咬合力が集中することが多く、そこには歯牙の欠損が生じていることが歯科臨床上多く見受けられます。

歯列矯正も併用した場合には、咬み合わせのバランスを取ることが可能となるために、インプラントを埋入する本数を減らすことは出来るかもしれません。

しかしながら、歯列矯正を併用しない少数歯欠損症例ではインプラントの本数を積極的には間引かない治療方針を採用する方が無難なケースも多いように思います。

hori (00:14)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その2

インプラント希望の方が来院されました。

今回のインプラントは下顎小臼歯部。

ブリッジの土台の歯が保存不可能となったケースでした。

神経・血管が近くを走行しているので、そこを避けてインプラントを埋入する必要があります。

また抜歯即時でインプラントを埋入する際には、抜歯後の骨のリモデリングを予想し、若干深めに埋めなくてはなりません。

すなわち、短めのインプラントを深めに埋入するということになります。

また短めのインプラントを使用するということは本数を間引きしない方が無難であるということも意味します。

顎運動のしやすい方向には過大な咬合力が集中することが多く、そこには歯牙の欠損が生じていることが歯科臨床上多く見受けられます。

歯列矯正も併用した場合には、咬み合わせのバランスを取ることが可能となるために、インプラントを埋入する本数を減らすことは出来るかもしれません。

しかしながら、歯列矯正を併用しない少数歯欠損症例ではインプラントの本数を積極的には間引かない治療方針を採用する方が無難なケースも多いように思います。

hori (00:14)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その2

インプラント希望の方が来院されました。

今回のインプラントは下顎小臼歯部。

ブリッジの土台の歯が保存不可能となったケースでした。

神経・血管が近くを走行しているので、そこを避けてインプラントを埋入する必要があります。

また抜歯即時でインプラントを埋入する際には、抜歯後の骨のリモデリングを予想し、若干深めに埋めなくてはなりません。

すなわち、短めのインプラントを深めに埋入するということになります。

また短めのインプラントを使用するということは本数を間引きしない方が無難であるということも意味します。

顎運動のしやすい方向には過大な咬合力が集中することが多く、そこには歯牙の欠損が生じていることが歯科臨床上多く見受けられます。

歯列矯正も併用した場合には、咬み合わせのバランスを取ることが可能となるために、インプラントを埋入する本数を減らすことは出来るかもしれません。

しかしながら、歯列矯正を併用しない少数歯欠損症例ではインプラントの本数を積極的には間引かない治療方針を採用する方が無難なケースも多いように思います。

hori (00:14)

カテゴリ:治療例

長期に安定したインプラントを目指して : その1

今回のインプラントは、下顎臼歯部。

カバーキャップをヒーリングアバットメントに替えると同時に、遊離歯肉移植術を行いました。

骨造成を併用したインプラント埋入では、付着歯肉が歯冠側に移動してしまう傾向があるので、後から付着歯肉量を増大させる処置が必要となります。

インプラント埋入と同時にソフトティッシュマネジメントも行うこともありますが、インプラント埋入の際には、インプラント埋入自体のオペ時間を少しでも短縮したいので、付着歯肉が不足しているケースでは、後から付加的な処置を追加する場合も少なくありません。

骨を造成するハードティッシュマネジメント、付着歯肉の増大や前庭拡張などのソフトティッシュマネジメント、インプラント埋入の3つの処置を同時に 行う場合と比較して、それぞれ処置をそれぞれ単独に行う方が確実な治療結果が得られやすいというメリットがある一方で、患者さまの肉体的・精神的負担が増 大してしまうのがデメリットといえます。

症例に応じて、患者さまの性格に応じて、治療方針は替わるべき、替えるべきものと考えております。

hori (00:09)

カテゴリ:治療例

インプラント ケース:29

堀歯科医院では実際のインプラント治療に入る前に、CTによる術前シュミーレーションを行っています。

今回のインプラントを希望された患者さまについても、ルーティンにCTを撮影し、シュミレーションを開始したところ、パノラマレントゲンでも写っていた骨硬化像、あるいは歯牙腫様のものがCT画像解析により、3次元的にその位置を把握することができました。

そのいずれの場合でも、対処可能なように予め対応を考えていたために、本日はスムースにインプラント治療を終了することができたと考えております。
flower_0029s.jpg
結果的には骨硬化像だったということになりますが、今回のケースのように、歯槽骨上縁から下歯槽神経までの距離があまりなく、歯槽骨が部分的に硬い部分の直下2ミリには下歯槽神経があるような場合には、できれば骨硬化している部分は避けてインプラントを埋入したいと術者サイドは考えるのではないでしょうか。

ルーティンにCT撮影して、インプラント治療を行っていることもあり、その位置を3次元的に把握し、安全にオペを遂行することができたと考えております。

もしも歯牙腫の場合であれば、まずは摘出手術を行い、その後、抜歯即時インプラントと同じ要領で、インプラントを埋入することになったことでしょう。

この場合には、通常の抜歯即時インプラントとはことなり、インプラント埋入する直上の部分の歯肉が存在していますので、初期固定さえ、そこそこ得られれば、比較的イージーな症例だったかもしれません。

下顎臼歯部の歯槽骨のボリュームが不足しているケースは、やはり神経を使います。

それでも、歯科医師サイドがストレスフリーでインプラント治療を行うことができるということは、患者さまが安全にインプラント治療を受け、結果的に、患者さまもストレスフリーでインプラント治療を受けることができるということに繋がるのではなかろうかと考えております。

2009年2月15日

hori (23:09)

カテゴリ:治療例

インプラント ケース:28

本日のインプラントは、下顎左側4番から右側2番まで比較的広い範囲で、歯牙欠損が認められるケースです。

皮質骨が厚くオペ前から麻酔が効きにくいと判断していたこともあり、通常よりも多めの麻酔をしておきました。

これも術前のCTシュミュレーションで、皮質骨の厚みや量を把握できたことで、可能となりました。

また骨質が硬い場合、思ったよりもドリリングがスムースに行かない場合もあるので、シュミュレーションで決定した長さよりも一段階短めのインプラントを用意しておく必要もあります。
flower_0028s.jpg
初心者の歯科医師はインプラントの在庫を抱えることを嫌がるために、最小限のインプラントのみを用意して、オペに臨む結果となりますが、これはある意味危険でもあります。

というのも、シュミュレーションの時よりも短いインプラントを選択したくても、手元にその長さのインプラントがなければ、無理をしてドリリングを続けるか、オペ自体を中止するしか選択の余地がないからです。

いずれにしても患者さまサイドのメリットはないといえることでしょう。

インプラントを行っている歯科医院は数多いですが、やはり患者さまも、ある一定数以上のインプラント症例がある歯科医院を選択する方が無難であるということになります。


hori (01:04)

カテゴリ:治療例

インプラント ケース:27

本日のインプラントは、上顎前歯部。

歯列矯正でインプラント埋入以外の歯牙の位置を適切な位置へと移動させてからのインプラント治療となりました。

上顎前歯部のインプラントは、患者さまにとっても最も見えるところなので、インプラント埋入する起始点、方向、長さ、他のインプラントや天然歯との距離などを考慮し、審美歯科的な観点で最終的な補綴物をイメージをすることが必要となります。

本日は抜歯と同時にインプラント埋入を行い、プロビジョナルのセットまで行いました。
flower_0027s.jpg
プロビジョナルが外れない限りは、数ヶ月の治癒期間をおくこととなります。

先ほど患者さまに電話で確認しましたが、痛みも腫れもなく、ひとまず安心という状態です。


hori (01:03)

カテゴリ:治療例

インプラント ケース:26

本日のインプラントは上顎左側部。

CTでのシュミュレーションを拝見したところ、臼歯部はサイナスまで1ミリあるかないかという状態。

さらに場所によっては全く歯槽骨が存在しない部分もある難症例。

最近このような難症例でもインプラント埋入が可能となるテクニックを習得したので、当たり前にインプラント埋入をすることができました。
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少し前までは、このような症例では患者さまへの侵襲が大きい治療法が主流だったので、堀歯科医院のインプラント治療は確実に一歩前進したことになります。

インプラント治療に限った話ではありませんが、堀歯科医院の歯科治療の快適性と治療スピードアップを追及するために、私は日夜、研鑽を積んでいるのです。

hori (01:03)

カテゴリ:治療例

インプラント ケース:25

本日のインプラントは、左下臼歯部、右下臼歯部、左上臼歯部に欠損が認められる症例でした。

インプラントの埋入部位が1部位のみという場合よりも、今回のように複数存在する場合の方が、やはり埋入するインプラントの本数が同じだとしても、要する治療時間は長くかかるのが普通です。

というのも、インプラントを埋入する骨面を露出させるまでの作業とその部分を閉じるための作業が増えるからです。

またそういう意味では、部位毎にインプラント治療を分けて行うこともあります。
flower_0022s.jpg
今回は1回で3つの部位に対して、1回のオペですべてのインプラント埋入を行いましたが、インプラントオペを何回行うかは、患者さまの置かれた状況、価値観で決めていただければ良いと考えています。


hori (01:02)

カテゴリ:治療例

インプラント ケース:24

本日のインプラントは、またまた3つの離れた部位に対してのインプラント治療。

左右の上顎臼歯部、右下臼歯部の3つの術野です。

(前回も3つの術野にインプラント埋入でした。)

同じ本数のインプラント埋入でも、術野が複数あると必然的にこちらの仕事量は倍増しますが、これまで私は歯周外科治療を数千本はこなしてきたこともあり、少しくらい術野の数が増えようともさほど負担には感じません。
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多くの分野の知識・テクニックが必要とされるインプラント治療は、基本的な術式の組み合わせに過ぎない一方で、それらの術式の上手い下手のわずかな差が結果に影響を及ぼすことが多いという一面もあります。

インプラント治療には多くの場合必要となる基本術式、切開・剥離・縫合が短時間に確実に行うことができるか否かがインプラント治療の成功の鍵となるかもしれません。

私が堀歯科医院に勤務するようになって、初めに関心を持った分野が歯周病治療で、その関連で歯周外科治療を多数行ってきたという経緯があり、偶然にも切開・剥離・縫合という外科の基本術式を徹底的にたたきこむ結果となりました。

かつては何でもかんでも歯周外科治療という感じでしたが、今では保存できない歯牙については最初からインプラント治療となるケースも多いです。

本日、インプラント治療を行った患者さまも、私が数年前に歯周病治療を行い、その後は安定した状態を維持しており、かつて歯周病で喪失する結果となった臼歯部に対して、インプラント治療を受けたいとの希望でした。

その方は、本日10時からのインプラント治療のご予約でしたが、お盆休み明けということもあって、もともとご予約頂いていた方はもとより、新患、急患の方が多数来院されました。

9時からの1時間ではとてもさばける数ではなく、インプラント治療の患者さまをお待たせする結果となってしまいました。
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(10時半以降に来院あるいは電話予約された新患・急患の患者さまは午後のご予約とさせていただきました。)

やはり休み明けの初日にインプラント治療のご予約は今後考えさせていただきたいと考えています。

またそんな慌しい一日に限って、エアコンが故障!という事件もあり、汗だくでのインプラント治療を行うこととなりましたが、下半期も楽しんでインプラント治療を行っていきたい!と考えています。



hori (01:01)

カテゴリ:治療例

インプラント ケース:23

本日のインプラントは下顎両側臼歯部。

この方はニュートラルな状態で、咽頭が広く開いている傾向にある方で、口腔内に水を溜めておくことができないタイプの患者さまです。

そのため、インプラント治療は水平位で行うことが一般的ですが、今回はほぼ座位で行うこととなりました。

患者さまが座位ということは、術者である私は身体を大きく傾けなければインプラント治療ができないということになります。
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やはり開口障害の患者さま、嘔吐反射がある患者さま、むせやすい傾向がある患者さまなどは臼歯部にインプラントを行うことは通常よりも困難となることがあるようです。

堀歯科医院のインプラント治療も症例が増えてきていることもあり、インプラント埋入をスムースに行うために、前日から入念なシュミュレーションを行っていました。

たまたま歯槽骨は十分に存在していたため、比較的苦労もなくインプラント治療を終了することができました。

hori (00:58)

カテゴリ:治療例

インプラント ケース:22

本日のインプラントは、またしても複数の部位にわたってのインプラント。

術野が複数あると、切開・剥離・縫合という治療過程がその回数だけ必要となるので、少々時間が多めにかかります。

インプラントは患者さまサイドでも"オペ"というイメージがあるようですが、歯科医師の仕事の多くは程度の差はあれ、分類上は"オペ"というものに属するでのはと思います。
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さて、今回のインプラントですが、下顎はさほど難しいケースではありませんでしたが、上顎は歯槽骨の量が不足しており、通常のインプラント埋入に加え、プラスアルファの処置が必要とされるインプラント治療となりました。

堀歯科医院に対する信頼感が十分にあったのか、患者さまもうとうとした状態でのインプラント治療をなりました。

hori (00:57)

カテゴリ:治療例

インプラント ケース:21

本日のインプラントは、下顎小臼歯部。

例によってオトガイ孔の真上です。

今回のケースは歯槽骨量も十分あり、比較的イージー症例でした。

昨年もそうなのですが、仕事納めを目前に控えた時期にインプラントのオペを行うことには少々抵抗があるというのが正直なところです。

ただ、麻酔が覚めた頃に電話で状態を確認したところ、『インプラントってオペなんですね。』という返答が返ってきて、コミュニケーションの難しさを感じずにはいられませんでした。

flower_0021s.jpg

こちらとしては、治療計画を立てる前に、きちんと説明しているつもりなのですが、結果として、内容を理解せずに、実際の治療に入っている患者さまが他にもいらっしゃる可能性があるということを知り、今後の堀歯科医院のあり方を考えさせられました。

インプラント治療に過剰に恐怖感を感じさせてしまうのも問題ですが、それとは逆に気軽すぎるのも問題であると感じました。

本日のインプラントも痛みなし・腫れもなしということで、期待通りの結果が得られたと考えております。

本日のインプラントで今年のインプラント治療も終了です。

来年もインプラント治療によって、歯牙を喪失された方に、生きる喜びを与えたい!と考えております。


hori (00:55)

カテゴリ:治療例

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