2012年10月アーカイブ
オールオンフォー All-on-4 の問題点
オールオンフォー All-on-4には以下のような偶発症(問題点)があります。
1.口角炎
2.神経損傷
3.発音障害
4.プロビジョナルに関する問題点
A.プロビジョナル(仮歯)の不適合
B.プロビジョナルの破折
5.インプラントの脱落
(インプラント ジャーナル 2012年 51秋号)
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インプラント治療に共通するものも含まれますが、特にオールオンフォーにおいては、発生するリスクが比較的高い問題点には、下顎における神経損傷、上顎における発音障害があげられます。
(少ないインプラントで対処するという時点で、オペの難易度が高まるために、神経損傷が発生しやすいということです。)
また、総義歯に近い状態を補綴するわけですから、プロビジョナルも相対的に大きいものになり、発音に対する"慣れ"には十分な経過観察を要することになるでしょう。
(面白いもので、患者さまも思うように咬めないという悩みから解放されると、悩みは発音のような次のステージに入るようなイメージが私にはあります。)
一方、オールオンフォーの患者様の多くでは、ブラキシズムが認められます。
もっと言えば、そもそも歯を失った原因にブラキシズム(嚙み締めや歯ぎしり)が関与している可能性が高いということです。
そのため、咬めるプロビジョナルを装着した時点で、その強度が十分なものでなければ、咬合力により破壊される結果となります。
プロビジョナルが破壊されると、特定のインプラントに側方からの応力が増大するので、インプラントを喪失する可能性が大きくなります。