2012年12月アーカイブ

インプラントのトラブル対処法 : アバットメントスクリューの破折

インプラント治療の失敗にアバットメントスクリューの破折がある。

残ったスクリューは簡単には除去できない。

この除去の方法はいくつか報告されているが、完全な除去は臨床的には困難である。

このような場合には、より短いアバットメントスクリューを用いることが有用かもしれない。

上部構造の維持には、アバットメントスクリューの3?4スレッドで十分との報告がある。


2012年12月20日

hori (14:24)

カテゴリ:インプラントについて

吸器器疾患の有無による、同時埋入と待時埋入でのインプラント生存率の違い

東京医科歯科大学附属病院による調査によると、吸器器疾患の有無による、抜歯同時インプラント埋入(抜歯即時)と待時埋入でのインプラント生存率の違いは、以下のようになった。

なお、「呼吸器疾患」とは、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)、慢性副鼻腔炎、上顎洞根治術の既往、鼻中隔湾曲症、喘息を含める。


2012年12月14日

hori (09:53)

カテゴリ:インプラントについて

歯がなくなくなれば、歯周病菌はいなくなるのか?

以前、無歯顎患者ではA.a菌、P.g菌はいなくなると考えられていたが、Sachdeoらは61人の無歯顎患者(1年以上の総義歯装着経験)において両菌を確認したと報告している。
 
さらに、Fernandesらは無歯顎で補綴物を装着していない状態(つまり、細菌が付着できる硬組織が口腔内に全くない状態)が1年間続いても口腔内から歯周病原因菌が検出されたと報告している。
 
以上のことから、アバットメント装着直後はインプラント周囲に細菌がきわめて少ない状態であっても、すぐに歯周病原因菌は侵入し、繁殖すると考えられる。
 
(参考文献)
 Sachdeo A, Haffajee AD, Socransky SS. Biofilms in the edentulous oral cavity. J. Prosthodont. 2008;17(5) : 348-356.
 
Fernandes CB, Aquino DR, Franco GC, Cortelli SC, Costa FO, Cortelli JR. Do elderly edentulous patients with a history of periodontitis habor periodontal pathogens? Clin Oral Implants Res. 2010; 21(6) : 618-623.


*****
以前、とあるオールオンフォーの大家が、『オールオンフォーは歯をすべて抜歯するから、歯周病菌が口腔内からいなくなる。

それゆえ、オールオンフォーはインプラント周囲炎にはならない。』と講演の中で話されていて、正直、『本当?』という思いで聞いて言いましたが、それが誤りだということがこの文献により、明らかになりました。

2012年12月 1日

hori (11:12)

カテゴリ:インプラントについて

このページの先頭へ