2013年2月アーカイブ
インプラント治療を受けるなら、今がベストのタイミングである理由
Atwoodは19年間の観察から、下顎の顎堤吸収は上顎よりも大きく、上顎の顎堤吸収は数年後に少なくなるが、下顎では年間約0.4ミリずつ顎堤吸収がずっと継続していたことを報告している。
同様に、Tallgrenは25年後の観察で顎堤吸収が継続して進行していることをJacksonは30年間義歯を装着している被験者の一部に、一部に下顎骨が年間0.5ミリのペースで吸収が認められたことを報告している。
どうやら、下顎顎堤は生涯にわたって吸収を続けるようである。
これらには義歯床を介しての力の伝達が影響しているが、性別や全身状態などの要因が、義歯床よりもはるかに大きな影響を及ぼすことが報告されている。
さらに困ったことに、顎堤の不良な症例ほど吸収が進行しやすいことも判明している。
(参考文献)
Atwood DA. THe reduction of residual ridge. A major oral disease entity. J Prosthet Dent. 1971 ; 26 : 266-279.
細井紀雄,平井敏博,大川周治,市川哲雄 編. 無歯顎補綴治療学第2版. 東京:医歯薬出版,2009.
Tallgren A. The continuing reduction of the residual alveolar ridges in complete denture wearers. a mixed. longitudinal study covering 25 years. J Prosthet Dent 1972 ; 27: 120-132.
Jackson RA, Ralph WJ. Continuing changes in the contour of the maxillary residual alveolar ridge. J Oral Rehabil 1980 ; 7 : 245-248.
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顎の骨の吸収は特に下顎において、毎年確実に0.5ミリつ減少し続けていることが多くの論文から明らかにされています。
ということは、10年で5ミリ歯槽骨が減少するということになります。
骨は造ることができる時代になってきてはいますが、長期に安定する骨は増骨した骨ではなく、やはり自前の骨だということには異論がないことと思います。
そのため、将来的にインプラント治療を受けることを考えているのであれば、今がベストのタイミングということになるのです。
光機能化でインプラントの適応症が拡大!
まず通常の長さのインプラントは、40%短いインプラントと比較して、有意に高い骨結合強度を示すことを確認した。
しかし驚くことに、短いインプラントを光機能化すると、治癒2週において、通常の長さのインプラントの骨結合強度の2倍の値を示した。
(参考文献)
eno T, Yamada M, Hori N, Suzuki T, Ogawa T. Effect of ultraviolet photoactivation of titanium on osseointegration in a rat model. Int J Oral Maxillofac Implants 2010 ; 25(2) : 287-294.
<光機能化の効果と原理>
最適化された条件で、インプラントを光機能化することで、老化したインプラントの(1)消失した超親水性を再生し、(2)やむを得ず、また例外なくコンタミネーションしている表面炭素を分解・除去し、さらに(3)表面電化を最適化させることによって、骨結合能力を最大まで高める技術。