2013年4月アーカイブ
インプラント周囲炎の治療:スウェーデンの現状
インプラント周囲炎の治療:スウェーデンの現状
要説:この研究目的は、スウエーデンにおけるインプラント周囲炎の治療方法・結果を調査することである。
結果:患者の54.7%でインプラント周囲炎の進行停止が見られなかった。
喫煙者に関してはインプラント周囲炎の治療の失敗との関連性が有意にあった。
また、早期発症の場合においても、治療失敗の関連性が有意にみられた。
臨床への示唆:スウェーデンにおいて未だ治療法の統一がなされていないことが示唆される。
また、長期にわたって臨床結果はほとんどなく、高い成功率を得ることもできておらず、ヒトにおけるインプラント周囲炎のマネジメントは非常に難しいことが理解できる。
(参考文献)
A follow-up study of peri-implantitis cases after treatment. Charampakis G, Rabe P, Leonhardt A, Dahlen G.J Clin Periodontal.
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それゆえ、インプラント周囲炎にならないように、補綴治療(被せ物の治療)まで終了しても、定期的なメインテナンスを歯科医院で行うことが肝要なのです。
「信頼できる歯科医師」を見分けるチェックリスト
?インプラント治療に対するあなたの期待や希望を質問しましたか?
?インプラントの利点ばかりではなく、欠点も詳しく説明してくれましたか?
?リスクファクター(全身的・局所的)を説明してくれましたか?
?治療の前に十分な検査・診査をしてくれましたか?
?治療計画(治療内容、期間、費用)を文書で示してくれましたか?
?CT撮影を行いましたか?
?あなたの質問に対して、時間をかけて誠実に対応してくれましたか?
?流れ作業で治療にあたっていませんか?
?あなたの顔と名前を覚えていますか?
?スタッフ教育の行き届いた、明るい雰囲気の診察室ですか?
(本当に知りたい!インプラントの話 より)
インプラント周囲へのプロービングの正当性
インプラント周囲へのプロービングの正当性
要説:この研究の目的は、プロービングによる外傷後にインプラント周囲組織が治癒過程をたどるのかを評価することである。
結果:プローブによって剥離した上皮性付着、プロービング後1日目から再生が始まり、5日で完全に再生していた。
臨床への示唆:スタンダード化されたプロービングは、インプラント周囲粘膜炎を引き起こすことなく、組織に不可逆性のダメージを与えない安全な臨床検査であることが示唆された。
(参考文献)
Healing after standardized clinical probing of the peri-implant soft tissue seal. Etter TH et al. Clin Oral Implants Res. 2002; 13(6): 571-580.
インプラント埋入時のスレッド露出に対する対応
インプラント埋入時のスレッド露出に対する対応
要説:この研究の目的は、フィクチャーのスレッドが露出したインプラントの軟組織や辺縁骨に生じる問題を調査することを目的に、ブローネマルク・クリニックにおいて1985-1988年にインプラントが埋入され4-5年経過している患者群のデータを後ろ向きに調査した。
結果:埋入時にスレッドの露出が観察されたテスト群とそれに隣接する露出のないコントロール群において、インプラント周囲粘膜の状態、エックス線上での骨吸収状態に有意な差が認められなかった。
臨床への示唆:インプラント埋入部位の骨幅が狭い場合などで、フィクスチャーのスレッドが露出したとしても、骨移植などの複雑な処置を行
わなくてもインプラントは維持されることが示唆された。
(参考文献)
Soft tissue and marginal bone conditions at osseointegrated implants that have exposed threads : A 5-years retrospective study. Lekholm U et al. Oral Maxillofac Implants. 1996; 11 : 599-604.