2013年11月アーカイブ

インプラント治療は、50代で受けるとよい。

Moyらは、1000名以上の患者、4600本以上のインプラント治療の失敗率が上顎8.16%、下顎が4.93%であったと報告した。

この中で、統計学的に有意にリスクが高かった項目として、高齢(40歳以下の失敗率が8.84%だったのに対して、60-79歳の失敗率が17.9%)、喫煙(失敗率が20%)、糖尿病(同31.3%)、放射線照射(同31.82%)、閉経後のホルモン療法を挙げた。

(参考文献)
Moy PK, Medina D, Shetty V, Aghaloo TL :  Dental implant failure and associated risk factors. Int J Oral Maxillofac Implants 20 : 569-577,2005.



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インプラントの失敗率が40歳以下と60-79歳とで統計学的有意差があったそうです。

これをもとに考えると、インプラント治療を受ける予定があるのなら、60代や70代で受けるよりも、50代のうちに受ける方が成功率が高いということになります。

2013年11月25日

hori (05:50)

カテゴリ:インプラントについて

歯の本数と医療費の関係とは?!

全国各地(北海道、長野、山梨、茨城、兵庫、香川、新潟、島根など)で行われた調査報告によって、残存歯数が20本以上の方がそれ以下よりも医療費が低く抑えられていることが明らかになっています。

たとえば、香川県では40歳以上1万9434人を調べたところ、歯が4本以下の人は20本以上の人より、医科医療費が1.71倍高くなっています。

その一方で、歯科の医療費に限ると、残存歯が多い人の方が医療費が高くなっています。

残存歯が多い人は歯科医療費が2万1129円、一般医療費が26万9649円、残存歯が少ない人は歯科医療費が2万118円、一般医療費が30万4145円となっています。

総額にすると残存歯が多い人は29万778円、少ない人は32万4263円となります。

これは歯を残すために歯科医療を受ける回数が多い(メンテナンス)ためで、歯科医療費をかけると結果的に医療費総額が抑えられるということと示しています。

(咬み合わせが人生を変える  日本顎咬合学会)

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インプラント治療をしてしっかり咬めるようになった患者さまが、治療前よりも7kg痩せたそうです。

咬めない状態の方は、咬まなくても飲み込むことができる"糖質と脂質中心の食事"をしていることが多く、それゆえに、肥満傾向にあることがほとんどです。

しかも、噛めないので、素材の味を味わうことができませんから、どうしても、料理も味が濃いものになりがちです。

(砂糖・塩・脂の摂取が多くなるので、糖尿病・高血圧・高脂血症にもなりやすくなります。)

私はインプラントの治療が終わったときに、「噛めるようになりますから、知らず知らずのうちに敬遠していた野菜とタンパク質をしっかり摂るようにしてください。」とお話ししました。

私のアドバイス通り食事を変えてくれたおかげで、この患者さまは、インプラント治療を通して、真の健康を獲得することができました。

メタボリック・シンドロームを回避したいのであれば、まずは歯の治療をしっかりと行うべきです。

運動よりも効果的にダイエットができるのは、野菜とタンパク質中心の食事を摂ること、そして、食べたものが脂肪になりやすい遅い時間(PM10時?AM6時)に食事をしないようにすることなのです。

これらのことが、歯科治療をしっかりすることによって、医療費の総額を抑える結果となる理由なのです。

2013年11月15日

hori (08:47)

カテゴリ:インプラントについて

深い垂直性骨欠損はリスクファクター

深い垂直性骨欠損はリスクファクター

(目的)
・歯周治療を受けなかった垂直的・水平的骨欠損を有する歯の10年後の骨レベルの変化を調べること。

・垂直的骨欠損の有無が将来的な歯周組織の破壊を予知する指標となりうるかどうかを検証すること。

(材料と方法)
・201名(25-70歳、平均45.7歳)

・エックス線写真による評価

・ベースライン時と10年後に水平、垂直(1,2,3度)を計測

垂直1度:2ミリ以下、2度:2.5-4ミリ、3度:4.5ミリ以上

(結果)
・ベースライン時の評価結果

水平91%

垂直9%(1度:6.0%、2度2.1%、3度:0.9%)

・10年後の歯牙喪失

水平12.7%

垂直1度:22.2%、2度:45.6%、3度68.2%

・水平欠損を有する歯より垂直欠損を有する歯の方が喪失しやすい。

・ベースライン時の垂直欠損が深いほど喪失しやすい。

(参考文献)
The angular bony as defect as indicator of further alveolar bone loss Papapanou PN, Wennstrom.JL, J Clin Pereiodontol 1991; 18(5) : 317-322.




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歯周ポケットの深さが垂直的に深くなってきているケースでは、水平的なものと比較して、10年後に歯を失いやすいので、注意が必要です。


2013年11月 7日

hori (17:22)

カテゴリ:インプラントについて

良好なプラークコントロールとインプラント周囲炎

良好なプラークコントロールとインプラント周囲炎

プラークコントロールが良好でありさえすれば、インプラント周囲組織に炎症が起こることはないのでしょうか。

Franssonら(2005)は、ブローネマルクインプラントに上部構造が装着されて5年以上経過している患者群において、インプラント周囲における進行性骨吸収の有無を調べました。

対象は1999年にブローネマルククリニックで年1回のリコールを受けていた患者さん1346人のうち、少なくても5年間以上のX線写真資料がそろっており、埋入手術に際して骨造成が行われておらず、固定式のインプラント上部構造による補綴処置を受けた662人でした。

患者さんらは術後、イエテボリ大学における厳格なSTを受けていたにも関わらず、上部構造装着5年後のインプラントに3スレッド(ねじ山)以上の進行性骨吸収を認めた症例は184人にものぼり、全体の27.8%に達しました。

わずか5年の経過期間で約4人に1人という高率でインプラント周囲に骨吸収が認められているという現状が報告されたのです。

これに続く研究では、これらの骨吸収部位に炎症が認められたと報告しています。

つまり、4人に1人はインプラント周囲炎に罹患した可能性を示唆しています。

(参考文献)
Fransson C et al : Prevalence of subjects with progressive bone loss at implants. Clin Oral Implants Res 16 (4) : 440-446,2005.

2013年11月 1日

hori (09:14)

カテゴリ:インプラントについて

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