2013年12月アーカイブ

インプラント周囲炎の治療介入時期

インプラント周囲炎については、どのくらいの進行時期に治療介入したかも予後因子となる。

骨喪失量が2-4ミリ、5-6ミリ、6ミリ以上の3群を外科処置後追跡調査したところ、2年後も健康な状態が維持されていたのは、それぞれ74%、55%、25%だった。

早期発見、早期介入はインプラントを長期維持するうえで大変重要な因子であることが分かる。

(参考文献)
Serino G,Turri A. Outcome of surgical treatment of peri-implantit: results from a 2-year prospective clinical study humans. Clin Oral Implants Res 2011; 22(11) : 1214-1220.

2013年12月21日

hori (09:44)

カテゴリ:インプラントについて

審美インプラントの弱点

・アンダーカットが2ミリ以上になると、1ミリに設定されたときよりも、セメント残遺は有意に多くなる。

ただ、部位特異性に関して、臼歯部に多い傾向が認められるもの、有意差は示されていない。

(参考文献)
Atieh MA, Alsabeeha NH, Faggion CM Jr, Duncan WJ. The Frequency of Peri-Implant Diseases: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Periodontol 2012 Dec 13.


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審美的なインプラント治療を行う場合、インプラントを深め埋入すること、そして、インプラントがあたかも天然歯が萌出しているかのようにインプラント-インプラント間あるいはインプラント-天然歯の間の歯肉を十分つくることが条件となります。

このような場合、どうしてもインプラント周囲の掃性が不良となる傾向があります。

これはインプラント幅径よりも歯冠幅径の方が大きいために生じるものと考えられます。

今回紹介した論文によると、インプラント幅径と歯間幅径の差が2ミリ以上になると、セメントリテインの場合、統計学的有意にインプラント周囲炎を惹起することが明らかになりました。

やはり、歯を一度失った過去をもつ人に対しては、『審美性ではあるけれど長期安定しないインプラント』よりは、『審美性はそこそこであるけれど、長期に安定するインプラント』を行うべきであると個人的には考えています。

2013年12月14日

hori (14:23)

カテゴリ:インプラントについて

インプラントには、より繊細な咬み合わせの調整が必要。

インプラント周囲組織が障害される閾値は180μmとし、病的変化をもたらす咬頭干渉として天然歯では300μm、インプラントでは180μmと10:6となり、インプラントは天然歯の60%の咬頭干渉にしか耐えられない。

(参考文献)
保母須弥也,相良正明. インプラントの咬合. 東京 : クイテッセンス出版, 2006 ; 89-95. 

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インプラントには天然歯は有する歯根膜がないため、咬み合わせの許容度は小さいです。

そのため、咬み合わせや顎の位置が変化しないように、上下顎歯牙が最大接触面積で接触するとともに、定期的な咬み合わせのチェックが必要となります。

2013年12月 8日

hori (08:22)

カテゴリ:インプラントについて

オトガイ神経領域における知覚異常

オトガイ神経領域における知覚異常の原因

1)直接的な損傷
ドリル使用時に深く挿入しすぎて下歯槽神経を損傷する。

2)血腫の形成
ドリル使用後やインプラント埋入後に下顎管内に血腫が形成され、その血腫が下歯槽神を圧迫する。

3)骨片の圧入
インプラント埋入時、先端の骨片が下顎管内に圧入され、下歯槽神経が損傷する。

4)骨の造成
下顎管の一部が損傷し、その修復過程で管壁に新生骨が造成し、管腔が狭くなる。

この場合、症状は手術後しばらく経過して出現する。

(インプラント治療 こんなときどうする?  より)



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要は、直接的な神経損傷がなくても、知覚異常が生じる場合があるということです。

ただ、直接的な損傷でなければ、手術後経過をみることで、次第に違和感が消失する場合もあるということです。

いずれにしても、インプラント手術医は、気を引き締めてオペに臨まなくてはなりませんね。

2013年12月 1日

hori (15:49)

カテゴリ:インプラントについて

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