2015年11月アーカイブ
インプラント治療における糖尿病からの負の連鎖
フッ化物で、インプラント周囲炎?!
受動喫煙で歯周病リスクが3倍に
2-IODの維持力を大きくしても、満足度向上には繋がらない。
パンチパーマ型P.g菌で、44.44倍も歯周炎リスク上昇!
・パンチパーマ型のP.gは素早く歯周組織の細胞の中に侵入し、様々な傷害を細胞に与え歯周組織を破壊し歯周炎を進行させます。
2型のP.gに感染すると、非感染の場合と比べて44.44倍も歯周炎が発症する危険性が高くなります。
歯周病のリスク因子として有名な喫煙や糖尿に比べてかなり高い値です。
・電子顕微鏡で撮影したP.gの遺伝子型別細菌像では、線毛遺伝子の違いが、髪型の違いのように見えることが分かりました。
1型:直毛型、1b型:束毛型、2型:パンチパーマ型、3型剛毛型、4型:スキンヘッド型、5型:産毛型
(21世紀のペリオドントロジー ダイジェスト )
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同じP.g菌でも、電子顕微鏡像では、線毛遺伝子の違いにより見え方が異なることが分かりました。
また、その形態によって分類すると、パンチパーマ型の2型P.g菌は、非感染の場合と比べて44.44倍も歯周炎が発症する危険性が高くなることもわかりました。
(ちなみに、重度喫煙で5.27倍、BMI30以上の肥満で8.60倍、糖尿病で2.32倍です。)
色々と気をつけているのに、歯周病が重症化している人は存在しますが、感染しているP.g菌の種類も特定できる時代となりました。
更なるエビデンスの蓄積を期待したいところです。
なぜ、歯周病は重症化しても、痛くないのか?
歯周病に「なる人」。
・歯周病に「なる人」と「ならない人」の遺伝的要因の違い
侵入した細胞の中で、P.g菌は4パターンの動きを見せます。
P.g菌を細胞内で分解できる細胞をもつヒトと、そうではないヒトがおり、P.g 菌がどのパターンの動きを見せるかは個人差によると考えられています。
これが歯周病に「なる人」「ならない人」の遺伝的要因の違いの一つかもしれません。
感染に強いと考えられる歯周組織細胞はパターン1や2のP.g菌 を分解する細胞であり、歯周病が進行しやすい細胞はパターン4、ついでパターン3となります。
・歯周病に「なる人」
分解を受けなかったP.g菌は細胞リサイクリング経路(細胞内へ取り込まれた細胞膜上の分子を、再び細胞膜へ戻し再利用する経路)に乗り移り細胞外に脱出、そして周囲の別の細胞に再侵入します。
つまり、P.g菌 は一つの細胞内にとどまることなく、次から次へと侵入細胞を代え、細胞間を往来し、増殖し、感染拡大を続けるのです。
そのため、P.g菌の細胞侵入は歯周病の慢性化と再発に関わっています。
また細胞に侵入したP.g菌を排除するのは容易ではありません。
(21世紀のペリオドントロジー ダイジェスト )
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P.g菌は細胞内に侵入します。
細胞内に存在するP.g菌を排除するのは、当然のことながら困難であるため、細胞内でそれを分解できない人は、歯周病が重症化するタイプの人であるということになります。