2016年11月アーカイブ
骨粗鬆症患者に対する、BP製剤の休薬について
インプラント周囲炎に歯周炎と同じ治療法を用いても奏功しない。
他院で装着されたノンメタルクラスプデンチャーの修理
・他院で装着されたノンメタルクラスプデンチャーを修理する場合は、その材料が分からないが、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂およびアクリル系樹脂のいずれの熱可塑性樹脂にも有効であったロカテック処理後にスーパーボンド処理をする表面方法を応用し、その後、修理用常温重合レジンあるいはリライン用アクリルレジンで修理する方法が、考えられるベストな方法であろうと思われる。
(接着の論点 )
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これまでノンメタルクラスプデンチャーは、古くからの材料であると、義歯と顎堤との間に隙間が生じた場合、再製作以外の方法はないとされてきました。
しかしながら、接着の分野の研究報告により、材質が何であろうとも、ロカテック処理にスーパーボンドで処理を行い、その後通常通りリラインすれば、再度義歯が使用可能となることが明らかになりました。
以前の常識が、現在の非常識になる一つの例であろうと考えています。
そのような意味でも日々の研鑽は必要ですね。
Bコンタクト喪失で、歯牙傾斜。
BP治療下患者に対するインプラント治療および骨増生
インプラント補綴のレジンセメントの使用について
・筆者は、インプラント補綴にレジンセメントを使用している。
金属と金属、あるいは金属とジルコニアという状態で、チタンのアバットメントに対して、ジルコニアクラウン、チタンのアバットメントに対してメタルボンドクラウンなど、この界面に対して接着材を使わないレジンセメントは、ただ強度があるだけの仮着と思っています。
ですから、力をかければ外れます。
天然歯の場合は接着機構は成り立ちますが、金属と金属では成り立たないと思います。
インプラントの場合、相手が天然歯ではなく、アバットメントなので、どんな接着材を使おうが結果は仮着なのではないでしょうか。
(デンタルダイヤモンド 2016年9月号)
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インプラントの固定様式の一つに、セメントリテインという方法があります。
これまで使用するセメントは仮着用セメントでしたが、今回の指摘のようにレジンセメントを使用してもあまり問題はないと考えられます。
またとくに前歯部でセメントリテインのインプラントが脱離し、それを放置した場合、その周囲の歯肉形態は刻一刻と変化していき、脱離した期間があまりに長期に亘ると、プロビジョナルに戻り、歯肉形態の付与から再度やり直さなくてはなりません。
このような手間のかかる作業が時に必要になる場合があることを考えると、特に前歯部のシングルのインプラントでは、レジンセメントは悪い方法ではないと考えられます。
そしてさらに、そもそもレジンセメントでインプラントの上部構造を固定しても、それは通常の天然歯の場合の接着機構とは異なるため、真の意味での接着ではありません。
セメントリテインで、何かトラブルが合ったら、上からホール形成をして、スクリューリテインに変更するだけのことです。
確かに面倒な作業ではあるけれど、大したトラブルではないと考えられます。