2018年7月アーカイブ

ロケーターは、4年経過から不具合が多くなる。

・ロケーターにおいては、4年経過から不具合が多くなる。
(参考文献)
Five-year clinical traial using three attachment systems for implant overdentures. Cristache CM, Muntianu LA, Burlibasa M, Didilescu AC. Clin Oral Implants Res 2014; 25( 2 ): e171-178.
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当院でもロケーターを用いた2-IODを行っています。
最初の症例は、海外から個人輸入したロケーターを使用した記憶があります。
治療を終えてから、5年ほど経過しましたが、その状態については、「若干義歯が緩くなったけれど、支障なく使用できている」と患者さんからは聞いています。
ロケーターの雌部は樹脂製であるために、経年的に劣化します。
メーカーは3-4か月で交換することを推奨すると聞いたことがありますが、個人的にはそこまで劣化は早くはないと感じています。
また、雌部に使用する樹脂製の部品の交換は、治療前から想定されるものなので、トラブルに含めるべきではないと考えています。

2018年7月25日

hori (08:30)

カテゴリ:インプラントオーバーデンチャー

やはり柔らかい湿ったう蝕象牙質には細菌が多い。

・Kiddらは、患者の永久歯のエナメル・象牙境にある齲蝕象牙質を採取し、これを培養して含まれる細菌数と採取部位の硬さ、色、湿潤状態との関連を調べました。
その結果、柔らかく湿った齲蝕象牙質に含まれる齲蝕原性細菌数は、柔らかく乾燥した齲蝕象牙質より多く、柔らかく乾燥した齲蝕象牙質の細菌数は硬く乾燥した齲蝕象牙質より多かったことを報告しています。
これらの結果から、硬い齲蝕象牙質では、柔らかい湿ったう蝕象牙質に比べて有意に細菌数が少ないと結語しています。
また、齲蝕象牙質の色に関しては、着色した硬い齲蝕象牙質の細菌数は、着色のない硬い齲蝕象牙質よりは多いが、細菌数は100CFU/ml以下と少ないこと、細菌数は、硬い齲蝕象牙質であれば着色がある場合とない場合との間に有意差がないと報告しています。
したがって、着色した硬い齲蝕象牙質には細菌がほとんどいないので、除去する必要がないといえます。
(参考文献)
Kidd EA, Ricketts DN, Beighton D. Criteria for caries removal at the enamel-dentin Junction : a clinical and microbaiological study. Br Dent J 1996 ; 180(8) : 287-291.
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硬い齲蝕象牙質では、柔らかい湿ったう蝕象牙質に比べて有意に細菌数が少ないこと。
細菌数は、硬い齲蝕象牙質であれば着色がある場合とない場合との間に有意差がないこと、が明らかになりました。
ある程度イメージしていた通りの結果ですね。
また、根面齲蝕では、齲蝕表層から歯髄に至る全域で硬さが一様に低下していることも咬合面う蝕とは異なる特徴といえるでしょう。

タバコのニコチンが齲蝕リスクを高める。

受動喫煙のある小児は、他の原因による影響以外に、2倍近くも齲蝕のリスクが増えることが分かっています。
ニコチンがミュータンス菌に作用すると、歯にくっつきやすくなったり、酸を多くつくようになったり、さらにその酸が薄まらないようにバリアを強めたりすることが分かっています。
成人においては、歯周病や歯の喪失のリスクを30%高めることもわかってきました。
(歯科衛生士 2018年 vol.42 )
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タバコのニコチンが齲蝕リスクを高めるそうなので、注意が必要です。

2018年7月15日

hori (08:39)

カテゴリ:インプラントと喫煙

根面齲蝕に歯肉退縮歯数、BOP歯数、ドライマウスが有意に関連している。

・根面齲蝕経験(歯数)には、「歯肉退縮歯数」「プロービングによる出血(歯数)」「ドライマウス(主観的)」の3つの説明変数が有意に関連していました。
(参考文献)
Sugihara N, Maki Y, Okawa Y, Hosaka M, Matsukubo T, Takaesu Y. Factors associated with root surface caries in elderly. Bull Tokyo Dent Coll 2010 ; 51(1) : 23-30.
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根面齲蝕に歯肉退縮歯数、BOP歯数、ドライマウスが有意に関連していること、年齢や性別には有意差はないことが明らかになりました。

精神障害者には根面齲蝕が多い。

・精神障害者施設における20歳以上の成人70名の未処置の根面齲蝕の有病状況では、20歳代から40歳代までは、いずれの年代においても成人集団と比較して明らかに高い値を示しています。
この対象集団における口腔清掃や歯科受診の不良だけでなく、抑うつ症状および薬物治療やそれにともなうドライマウスの影響が考えられます。
(参考文献)
眞木芳吉信 . 成人および老年者における歯根面齲蝕の病因と疫学 . 日歯医歯会誌 1992;45:205-217. 
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個人的にも精神障害者の方に虫歯を放置している方が多い印象がありましたが、今回そのれを裏付けるエビデンスを見つけることができました。

中年男性の親知らず抜歯

・第三大臼歯が存在しない場合が最も第二大臼歯に対して病的状態を与える率が少なかった。
この場合の病的状態とは、齲蝕の存在、20%以上の骨喪失、4ミリ以上のポケットのうち、いずれか一つでも見いだされたことを意味する。
軟組織埋伏の場合、第三大臼歯が存在しない場合に比べて4.88倍リスクを高めた。
萌出している場合は1.74倍、骨内埋伏の場合は2.16倍リスクを高めた。
結論として彼らは、中高年の男性では、第三大臼歯を保存することが第二大臼歯の病的状態のリスクを高めることと関わりがあるとしている。
(ザ・クインテッセンス 2018年6月号 )
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中高年、特に中年男性が親知らずを抜歯して欲しいと来院する場合は、歯茎が腫れている、出血する、臭いや味が気になる等の具体的な不具合がある場合がほとんどのように感じます。
そして、中年男性は仕事に追われているのか、『時間が取れないので、抜歯だけやってほしい。』という希望の方が少なくありません。
親知らずの周囲が汚れている状態であれば、個人的には抜歯を視野に入れている場合も可能な限り清潔にした状態を先に作るべきであると考えています。

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