2021年2月アーカイブ

歯周病菌で食道がんリスク上昇。

・これまであまり検討されていなかった食道がん患者の口腔内所見と口腔内細菌叢の特徴を明らかにするため、食道がん患者と非がん患者を比較。
食道がん患者からはアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌やストレプトコッカス・アンギノーサス菌が有意に多く検出された。
ロジスティック回帰分析によると、食道がんのリスクは、「歯垢中のストレプトコッカス・アンギノーサス菌の検出」で32.8倍、「唾液中のアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌の検出」で5.77倍、「飲酒習慣」で17.1倍(参考)との結果が出た。
(アポロニア21 2021年2月号 )
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飲酒と食道がんは関連があると古くから言われていますが、飲酒よりも食道がんリスクの高い歯周病菌、ストレプトコッカス・アンギノーサス菌が存在することが明らかになりました。

2021年2月25日

hori (08:55)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

歯列不正とシャベル切歯

・日本人の歯並びはなぜ悪いのだろう?
上顎前突や叢生が起こりやすいのは、それなりの理由がある。
その一つがシャベル切歯である。
厚く凹凸したシャベル切歯は東アジア人の特徴であり、髪の毛の太さと相関することが分かってきた。
この特徴は、最終氷河期に寒冷化適応として顕著化している。
同じ兄弟でも弟は毛が細くウエーブがかかっていてシャベル切歯の程度が少ない。
一方で、姉の髪の毛はストレートで太く、シャベル切歯の程度が顕著である。
(歯界展望 2021年2月号 )
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姉弟でも一方だけがシャベル切歯の場合があり、髪の毛の太さと相関することが明らかになりました。

2021年2月20日

hori (08:13)

カテゴリ:インプラントと歯列矯正

カカオポリフェノールで血圧低下。

・日本で初めて高カカオチョコレート(カカオ分70%以上)を25g/日、4週間摂取する実証研究が行われました。
その結果、体重、BMIの変化はなかったものの、血圧の低下は認められました。
それを受け、血圧低下効果のあったチョコレートの25g当たりのカカオポリフェノール含量を砂糖含有の多い一般的なチョコレートとダークチョコレート(カカオ70%以上)で比較してみました。
すると、一般的なチョコレートは約177mgであったのに対して、ダークチョコレートは635mgと、約3.6倍もポリフェノール量が多いことがわかりました。ちなみに糖質は一般的なチョコレート13gに対してダークチョコレート8gという数字でした。
(参考文献)
明治. チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究. 
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3.6倍のポリフェノール量は魅力的ですが、糖質8gは妥当なのかどうか。
調べてみたところ、糖質の一日量の目安は270gだそうです。
多く摂取しなければ問題ないものと思われます。

2021年2月15日

hori (08:49)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

59%の下顎智歯は、智歯周囲炎の既往のため抜歯となっている.

・下顎智歯周囲炎(この場合、5ミリを超える歯周ポケット)の罹患率は、25歳以降には32%と、それ以前の16%の倍になる。
・59%の下顎智歯は、智歯周囲炎の既往のため抜歯となっているという研究がある。
・智歯を維持すること、とくに半萌出、近心傾斜した智歯を維持することは、智歯周囲炎のリスク増加と有意に関連している。
(参考文献)
Vandeplas C. Vranckx M, Hekner D, Politis C, Jacobs R. Does Retraining Third Molers Result in the Development of Pathology Over Time? A systematic Review. J Oral Maxillofac Surg 2020 ; 78(11) : 1892-1908.
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59%の下顎智歯は、智歯周囲炎のために、抜歯になっていることが明らかになりました。
傾斜している歯やインプラントは、そうではない場合と比べて、清掃性が悪いのかもしれません。

2021年2月10日

hori (08:03)

カテゴリ:インプラント周囲炎

特定の歯周病菌で食道がんリスクが約6倍に!

食道がんと口腔細菌に関係 
江戸川病院と総合南東北病院との共同研究。
研究では、食道がんと診断された入院患者61人とがんでない入院患者62人の口の中を診察して唾液と歯垢を採取。
そこに含まれる7種類の代表的な歯周病の原因菌の数を推定した。
問診の結果では、食道がんの患者の方が歯周病の状態が悪く、喫煙率や飲酒の頻度が高いことが判明した。
さらに、歯垢に含まれるアグリゲイティバクター アクチノミセテム菌という細菌は、食道がん患者では16人で検出されたのに対して、その他の入院患者での検出は1人だけだった。
この細菌は、食道がん患者では唾液からも高い確率で見つかった。
結果を統計的に解析すると、唾液中でこの菌が見つかると、食道がんリスクは約6倍に高まる計算となった。
(医療新世紀 2021.2.1 )
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特定の歯周病菌で食道がんリスクが約6倍になることが明らかになりました。

2021年2月 5日

hori (08:15)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

血流量の影響を受ける歯と受けない歯の違い

従来からいわれている知覚過敏では説明できない現象として、同じような実質欠損があるにもかかわらず、知覚過敏の症状のある歯とない歯が存在する。
これはパラファンクションによって歯髄の血流量が影響を受ける場合と受けない場合があるためであると考える。
では、その血流量の影響を受ける歯と受けない歯の違いは何だろうか?
この答えは「根尖孔の位置」ではないだろうか。
パラファンクションによる変位を起こしたときに、根尖孔の位置によって圧迫を受ける歯と受けない歯があり、圧迫を受ける歯は虚血からの代償性充血を引き起こすが、受けない歯は当然血流量に影響がないので虚血が発生しないために、代償性充血も発生しないということである。
(ザ・クインテッセンス 2021年1月号 )
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パラファンクションによる変位を起こしたときに、根尖孔の位置により圧迫を受ける歯と受けない歯があることが明らかになりました。
パラファンクションが認められた患者さんで、当院で矯正治療を受けた方の歯牙の歯髄充血の発生頻度やその重篤度に着目して、CTで確認してみたいと思いました。

2021年2月 1日

hori (09:36)

カテゴリ:インプラントと歯内療法

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