2021年11月アーカイブ

1ミリを超えるインプラントの圧下は20.8%

インプラントで修復された成人の自然な歯列については最近報告されている。
成人患者の最大50.5%が隣接する歯や歯槽頂の骨と比較して、4-18.5年の期間ののち平均0.58ミリのインプラントの圧下が発生する可能性がある。
この同じ期間内で、1ミリを超えるインプラントの圧下は20.8%を示した。
(参考文献)
Massaro C, Miranda F, Janson G, de Al,eida RR, Pinzan A, Martins DR, Garib D. Maturational changes of the normal occlusion : A 40-years follow-up. Am J Orthod Dentofacial Orthop 2018 ; 154(2) : 188-200.
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インプラントが圧下されるということは、その部分の咬み方が不足するということを意味します。
それはすなわち、インプラントを含む歯列や咬み合わせが崩れることにつながります。
プラークが付着しているか否かのチェックは当然として、咬み合わせのチェックも定期的に行わなくてはならないということになります。

2021年11月20日

hori (08:45)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

長期的にはファイバーポストのトラブルは多い可能性がある。

・Naumannらの11年の経過観察では、大きい実質欠損のある歯(2壁以上の欠損)では、築造材料にかかわらず、8年を境に急激にトラブルが増加し、短・中期的な研究結果とは全く異なる可能性があり、ファイバーポストの方がトラブルは多かったと報告している。
(参考文献)
Naumann M, Sterzenbach G, Dietrich T, Bitter K,Frankenberger R, von Stein-Lausnitz M : Dentin-like versus Rigid Endodntic Post : 11-year Randomized Controlled Pilot Trial on No-wall to 2-wall Defects. J Endod, 43(11) : 1770-1775, 2017.
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ファイバーポストによるレジン築造は、メタルコアよりも歯根破折を減少させるというメリットがある一方で、レジンセメントで接着しようとも、ファイバーポストもレジンもたわむゆえに、長期的には象牙質と築造体の間に間隙が生じ、脱離の原因となる可能性があります。

コロナウイルス手指衛生の効果

手指衛生で使うアルコール(70%エタノール)、38ppm次亜塩素酸水、3-10ppmオゾン水は、いずれも新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス「SARS-CoV-2」に対して同等の不活性化効果がある。
日本歯科医学会の令和2年プロジェクト研究によるもの。
(アポロニア21 11月号 )
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手指衛生で使用されるアルコールが、意外と新型コロナウイルスの不活性化に効果があることが明らかになりました。

2021年11月10日

hori (08:24)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

昨年末までの新型コロナ感染者数:歯科医師73件、歯科衛生士74件

新型コロナウイルスの歯科医療機関での感染状況で、歯科医師の感染73件、歯科衛生士の感染74件などは確認されているが、歯科治療を介して感染拡大事例はいまだ確認されていない。
8月25日に開かれた日本歯科医師会の定例記者会見で示された資料によるもの。
(アポロニア21 10月号 )
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各種メディアで、「歯科医院ではエアロゾルが発生し、新型コロナウイルス感染リスクが増大するので、不要不急な歯科治療を受診するべきではない」という記事が散見されました。
(因みに、私の知人・友人の歯科医師・歯科衛生士で感染者は皆無です。)
今回のデータを基に、歯科医療従事者の新型コロナウイルスの罹患率は高いのか、低いのかについて検証してみました。
日本の歯科医師数はおよそ11万人、歯科衛生士数がおよそ14万人とすると、歯科医療従事者の新型コロナウイルス感染者割合は、0.059%になります。
(歯科助手、歯科技工士は除外します。)
一方、日本国の人口は現在およそ1億2068万人、そのうち新型コロナウイルス感染者数をおよそ171万人とすると、一般的な日本国民の新型コロナウイルス感染割合は、1.41%ということになります。
歯科医院内でクラスター発生率はほぼゼロ、歯科医療従事者のコロナウイルス感染割合は、一般的な日本国民の半分以下ということが明らかになりました。
ネット上の情報は、ガセネタも多いと聞きますが、歯科治療受診による新型コロナウイルス感染リスク増大もガセネタだったのでは?と考えています。
とある研究報告では、定期的なメンテナンスを受診しない場合、その8割の方の口腔内はゆっくりと状態が悪化しているといわれています。
新型コロナ蔓延が落ち着く時期が、将来到来するとは思います。
しかしながら、そのころには、新型コロナウイルが問題となる以前には何とか保存できていた歯牙が、保存困難でインプラントも視野に入れなくてはならない状態になるケースが増加するように思えてなりません。

フレイル高齢者は肺炎のリスク1.9倍

フレイルの高齢者は、1.9倍肺炎にかかりやすく、1.8倍重症化しやすい。
新潟大学大学院齋藤教授らが明らかにした。
研究グループは、2016年から17年に行った、約18万人の要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者の健康と暮らしに関するアンケート調査データを統計解析。
過去1年で「肺炎にかかったか」もしくは「肺炎化インフルエンザに罹ったのち、肺炎で入院したか」を調べた。
肺炎に関する年齢や性、教育年数、所得、家族構成、婚姻状況、喫煙、肺炎にかかりやすく重症化しやすくなる病気、肺炎球菌予防接種等の影響を除去して解析した結果、フレイル高齢者はフレイルでない高齢者と比べて、約1.9倍肺炎にかかりやすい可能性が
示唆された。
また、フレイルの前段階の高齢者も1.3倍肺炎にかかりやすいことと判明。
さらに、1.8倍肺炎で入院しやすい可能性があることも分かった。
(アポロニア21 10月号 )
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フレイルの高齢者は身体の姿勢を維持できない方が少なくないために、口腔内細菌を含んだ食物残差が肺に侵入することによって、誤嚥性肺炎を罹患するリスクが高いものと考えられます。
肺炎予防のためにも、体幹を支える筋力が低下しないように、日々意識し、努力することも必要かと思います。

2021年11月 1日

hori (08:20)

カテゴリ:インプラントと全身の健康

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