2023年9月アーカイブ
セメント質剥離の診断について
セメント質剥離は診断が困難な場合があり、剥離が歯冠側で生じると、限局的な深い歯周ポケットが形成されるため、垂直的歯根破折と誤診されやすい。
一方、根尖側で剥離が生じると、歯肉の腫脹瘻孔の形成、そして根尖部周囲の骨吸収を呈し、根尖性歯周炎と誤診され奏功しない根管治療を繰り返し、結果として抜歯に至るということがまま起こっている。
(参考文献)
Lin HJ, Chang MC, Chang SH, Wu CT, Tsai YL, Huang CC, Chang SF, Chang YW, Chan CP, Jeng JH. Treatment outcome of the teeth with cemental tears. J Endod. 2014 Sep ; 40(9) : 1315-20.
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セメント質剥離は、60歳以上の男性前歯生活歯に比較的多く認められるので、注意が必要です。