2024年3月アーカイブ

インプラント同士は必ずしも3ミリ以上離さなくても大丈夫。

・インプラント治療のスペースマネジメントとして、天然歯とは1.5ミリ、インプラント同士は3ミリ以上離すことが基本と考えられてきた。
インプラント間の骨頂の吸収量は、その距離が2ミリから4ミリ以上まで大きくなるにつれ減少する。
近年のシステマティックレビューでは、1-3ミリでは有意差がないが、5ミリになると吸収量は有意に減少することが報告されている。
(参考文献)
Al Amri MD. Influence of inter-implant distance on the crestal bone height around dental implants.: A systematic review and meta-analysis. J Prosthet Dent/ 2016 Mar ; 115(3) : 278-82.
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プラットフォームスイッチングやテーパージョイントのインプラントを応用することにインプラント間距離が短くなってもインプラント間の歯槽骨吸収量を抑制できることが関与している可能性があります。

2024年3月20日

hori (08:47)

カテゴリ:インプラント周囲炎

インプラント治療のトラブルは補綴学的合併症が大多数。

Pjeturssonらは、上部構造装着後5年以上経過したインプラント治療で合併症が認められない割合は66.4%のみであり、8.5%が生物学的合併症でそれ以外が補綴的合併症であると報告している。
インプラント治療が補綴治療である以上、咬合管理の重要性を改めて認識しなくてはならない。
(参考文献)
Pjetursson B. E., Tan K., Lang N. P., Bragger U., Egger M M., Zwahlen M. : A systematic review of the survival and complication rates of fixed partial dentures after an observation period of at least 5 years. Clin Oral Implants Res 15(6); 625-642,2004.
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インプラントのトラブルでいかに大きい部分が補綴学的合併症であるかを再認識する結果となりました。

2024年3月 5日

hori (08:07)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

部分入れ歯の鉤歯の喪失リスクはブリッジの約3倍。

Aqulinoらは部分入れ歯鉤歯とブリッジ支台歯の生存率の比較を行い、ブリッジ支台歯の生存率は10年で92%、部分入れ歯の鉤歯は56%と、ブリッジの方が生存率は高いと報告しており、約Cabanillaらも部分入れ歯の鉤歯の喪失リスクはブリッジの約3倍と報告している。その理由として、佐藤らは、部分入れ歯の鉤歯は、クラスプやバーを介して欠損部にかかる咬合力を一部負担することによる力学的な要因や、クラスプやバーにより鉤歯の歯周組織状態が悪化するという衛生学的な要因によって生存率が低下するとしている。
(参考文献)
Cabanilla l. L., Neely A. L., Hernandez F. : The relationship between periodontal diagnosis and prognosis and the survival of prosthodontic abutments: a retrospective study. Quintessence Int. 40: 821-831, 2009.
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部分入れ歯は残存歯が減りやすいタイプの装置かもしれない。

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