補綴歯の予後と歯冠-歯根比

・補綴歯の予後を予測するうえでの歯冠-歯根比についてのレビューによると、ブリッジの支台歯については歯冠長:歯根長が1:1.5(歯冠-歯根比0.67)という比率が維持されていることが好ましいが、歯周組織に問題がなければ1:1(歯冠-歯根比1.0)まで許容できるとしている。
しかしながら、この指標単独で予後を予測するのは不十分であり、複数の指標とともに評価する必要があるとしていることに注意したい。
また、鉤部分床義歯の鉤歯の長期予後を調べた報告によると、歯冠-歯根比が1.25(歯冠長:歯根長が1:0.8)を越えなければ7年生存率は大きく低下しなかった。
しかし、メンテナンスの通院頻度、咬合支持状態、根管治療の有無、歯周ポケット深さなどの鉤歯の喪失に対するハザード比を上昇させる要因であった。
(参考文献)
Grossmann Y, Sadan A. The prosthodontic concept of crown-to root ratio : a review of the literature. J Prosthet Dent 2005 ; 93(6) : 559-562.
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治療計画立案の際には、歯冠-歯根比に対しても注目しています。
その歯牙が例えば10年後安定した状態であるかどうかによって、臨床家は歯牙の保存基準を変更し続けていく必要があると考えています。

2021年8月25日

hori (08:55)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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