咬み合わせが安定している側にトラブルが多い理由

・欠損が2歯ある194人の欠損パターンを調査したところ、2本目の欠損が1本目の欠損の反対側に起こった症例は56.2%(109人)、同側臼歯部に起こった症例は23.7%(46人)、前歯部に起こった症例は20.1%(39人)と、2本目の欠損が反対側に起こる症例が多かった。
・5年以上経過があり、前歯部の咬合が確実で臼歯部の咬合支持に左右差がある遊離端義歯装着患者32名(970本)を対象に、力の関与が疑われるような骨吸収、破折、脱離などのトラブルが起こった部位を調査した。
その結果、咬合支持が安定している側にトラブルが多く認められ、欠損側のトラブルは少なかった。
(これで解決! 欠損補綴とブリッジ修復 )
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一つ目のデータから推測できることは、一番咬みやすいところを抜歯せざるを得ない状態になった場合、次に失う可能性が高い歯は新たにできた咬み癖側の中で最も咬める歯ではなかろうかということです。
56.2%と最も高い割合で反対側の歯を失っていることを考えると、多くの場合反対側の方が歯が一本多いので、補綴処置がなされなければ、通常反対側が咬み癖側になるということかと考えられます。
また、2本目の歯を失っている部位が、同側臼歯部(23.7%)、前歯部(20.1%)の場合には、反対側(56.2%)と比較した場合に、咬合の非対称性が高い群なのではなかろうかとも考えられます。
さらに、二つのデータから共通しているのは、咬みやすい歯が先になくなる場合があるということではないでしょうか。
片側に義歯が入っていると、その反対側の自分の歯同士が咬めるところで咀嚼している方が多いと考えられます。
そうなると、義歯が入っている側ではなく、歯が多く存在している側でトラブルが発生しやすいということなのでしょう。
やはり、咬み合わせの左右差によって、歯が失われる側面がある以上、歯を失うスピードを遅くするために、インプラント治療を上手く役立てることも必要なことといえるでしょう。

2015年7月 5日

hori (10:04)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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