歯槽硬線の肥厚と"力"の影響

・「歯槽硬線の肥厚」と「力の影響」は、臨床統計でも関連づけられている。
オッズ比で95%の確率で、歯槽硬線が肥厚するとリスクは17.5倍であり、力の影響を示すサインと成り得ると述べられている。
千葉は、歯にかかる力が強いと考えられる症例の個体差として、「歯根膜腔の拡大」と「歯槽硬線の肥厚」をポイントとしてあげ、以下の3つのパターンを示した。
タイプ1:歯根膜腔の拡大(なし)歯槽硬線の肥厚(なし)
タイプ2:歯根膜腔の拡大(なし)歯槽硬線の肥厚(+)
タイプ3:歯根膜腔の拡大(+)歯槽硬線の肥厚(+)
そして、タイプ1では歯根破折などの歯の構造破壊に、タイプ3では歯周病の進行に繋がりやすいと述べている。
以上のことから、デンタルX線写真における根分岐部への力の影響を疑うX線像のポイントは、以下の4項目となる。
・歯根膜腔の拡大
・根分岐部病変直下の透過像
・歯槽硬線の肥厚
・歯根周囲の骨硬化像、不透過性の高い骨梁像
(根分岐部病変 より)
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歯根膜腔の拡大(なし)歯槽硬線の肥厚(なし)であれば、歯根破折に。
歯根膜腔の拡大(+)歯槽硬線の肥厚(+)であれば、歯周病の進行に。
というのは、考えてみると納得のいく臨床的データです。
歯根膜腔の拡大も歯槽硬線の肥厚も何かしらの骨への過大な圧迫するような力な訳ですから、過剰な力がかかって歯が割れない限り、その部分の歯周病は局部的に進行するということになります。
一見、別の病気のように見えても、その部分に過大な咬合力が集中していたという背景因子は同じであるということになります。

2016年2月15日

hori (15:39)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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