気象変化で慢性歯周炎が急性化。
・天候が歯や口の健康に影響している可能性がある。
岡山大学大学院医歯薬総合研究科予防歯科学分野の森田学教授、竹内倫子助教らの研究グループが、慢性歯周炎が急性化するのは気象変化後1-3日後であることを発表した。
同研究グループは、岡山大学病院予防歯科を受診している「安定期にある慢性歯周炎患者」延べ2万人を調査。
慢性歯周炎における急性期の発生と気象状態との関連を分析した。
慢性歯周炎の急性期症状を発症した症例(発症率1.87%)のうち、発症要因が歯科関連とは考えにくいケースに注目。
「気圧低下の毎時変化が大きい」、「気温上昇の毎時変化が大きい」といった気象変化があった日の1-3日後に急性期症状を発生しやすいことを突き止めた。
慢性歯周炎は歯周病原因菌によっておこる炎症で、何らかの原因で急性化すると歯の周囲の組織破壊が急速に進む。
気象変化が原因となるメカニズムは不明だが、気圧や気温の変化がホルモン分泌や循環器系に影響し、慢性歯周炎の急性期の発生に関与したと考えられるとのことだ。
(Dentalism SPRING 2016 NO.23)
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気圧が大きく変化する梅雨時には、口臭が気になる人が増加するような印象が個人的にはありました。
気圧の変化は自律神経に影響を与えるので、唾液の出方が変化したり、サラサラ唾液がネバネバ唾液に変化する可能性があります。
また、気温や気圧の変化自体が体にとっては、ストレスですから、それに関連して咬み締めの程度や頻度が増大する可能性も考えられます。
歯周病菌の増殖を抑える唾液の性状が変化し、量も減少し、それと同時に歯周組織には過大な咬合力がかかる、これこそが気象変化の数日後に慢性歯周炎が急性化することと関連があると考えています。
こうして考えると、インプラント周囲炎も唾液の性状や量、咬合力に影響を受けるわけですから、天然歯と同様に気象変化の影響を受ける可能性が推察されます。