天然歯とインプラントを連結するなら、キーアンドキーウェイで固定が有効。
・インプラントと天然歯を支台としたブリッジの固定形式
Langら(2004)は、天然歯支台とインプラント支台が混在したブリッジの長期生存率についてシステマティックレビューを行い、10年生存率を77.8%と報告している。
これは、インプラントのみを支台歯としたブリッジの10年生存率86.7%(Pjeturssonら 2004)より低く、設計上問題がなければ天然歯支台とインプラント支台が混在したブリッジは避けた方が賢明といえる。
しかし、歯周病に罹患した患者では、残存歯の歯牙移動により歯軸とインプラントの軸方向が異なる場合があること、上部構造やインプラント周囲組織への術後対応などから、天然支台歯のブリッジ部分とインプラント支台のブリッジ部分をキーアンドキーウェイで固定するのが有効である。
(歯周病患者のインプラント治療 )
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当院でも臼歯部にインプラント治療がされている患者さんの前歯部にブリッジがあるケースは少なくありません。
インプラント治療が終了して長期間が経過した場合、そのブリッジが前方に傾斜する形で、動揺度が増大することがあります。
そのような時、キーアンドキーウェイでインプラントとブリッジを固定するのも天然歯保存には有効かと考えられます。
ただ、インプラントと天然歯を連結すると、繋がれた天然歯が圧下される場合があると聞きます。
そうなると、ブリッジの遠心に凹みを形成し、その上からインプラント補綴を被せるような形態で、キーアンドキーウェイを付与するのが良いかもしれません。
仮に天然歯が圧下された場合は、キーアンドキーウェイが利かなくなるだけのことですから、大きな問題とはならないはずです。