咬合不調和が放置されると予後不良となる場合がある。
Harrel&Nunnは歯周病患者89名を対象とした1-10年の後ろ向き研究で咬合不調和(中心位における早期接触、偏心位における干渉)が歯周病罹患歯の予後にどのような影響を与えるかを調査した。
被検者は推奨された治療をすべて受けた群(n=41、初期治療と歯周外科)、推奨された治療を部分的に受けた群(n=18、初期治療のみ)全く治療を受けなかった群(n=30)に分類された。
被検者は少なくても1年後の検診を受け、初診時の状態との比較が行われた(大部分の患者についても5-10年間の経過観察が行われた)。
本研究では、咬合不調和を有する群では有意に大きなプロービング値、動揺度が認められ、初診時の予後も悪く判定される傾向にあった。
59名の治療群のうち、29名が咬合調整を受けた。
残りの30人は、咬合不調和が認められたにもかかわらず咬合調整は行われなかった。
咬合不調和がありながら咬合調整を受けなかった歯は、プロービング値、動揺度、予後が悪化していった。
咬合不調和が放置された群では、0.167ミリ/年のプロービング値の増加が認められたのに対して、咬合不調和がなかった群ではマイナス0.004ミリ/年、咬合不調和が調整された群ではマイナス0.027ミリ/年で、咬合不調和が放置された群では有意に大きな値を示した。
(参考文献)
Harrel SK, Nunnn ME. The association of occlusal contacts with the presence of increased periodontal probing depths. J Clin Periodontol. 2009; 36(12)1035-1042.
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当院のインプラント総合治療では、センチあるいはミリ単位の修正をインプラントや被せもので対応し、ミクロ単位の調整は定期的な咬合調整を行っております。
咬み合わせは常に変化するものなので、最短で3-4週に一度、調整を行う場合もあります。
今回の報告で示されたように、咬合不調和が放置されると予後不良となる可能性があるので注意が必要です。