臼歯欠損部に埋入された6.5ミリ以下のショートインプラントの生存率
・臼歯欠損部に埋入された6.5ミリ以下のショートインプラントの生存率と12か月のフォローアップ期間後における生存率に影響を与える因子の探索:システマティックレビュー
(結果)
上下顎の臼歯部に埋入された6.5ミリ以下のショートインプラントは3410本で、少なくても補綴装置装着後12か月以上のフォローアップ後における累積生存率は、96.45%だった。
患者の平均年齢は35-63.5歳だった。
年齢と生存率には相関がなかった。
上顎と下顎におけるショートインプラントの生存率は同程度だった(それぞれ96.57%と96.37%)。
異なるインプラントの寸法におけるショートインプラント生存率に対するオッズ比計測では、長径6ミリで直径4.1ミリのショートインプラント生存率(94.49%)が、全体の生存率に比較して統計学的に低い生存率を示していた(オッズ比1.59、P<0.05)。
同様に、長径と直径が4ミリのショートインプラント生存率(93.81%)は、全体の生存率と比較して低い生存率の傾向だった(オッズ比1.79、P=0.052)。
一方、長径6.5ミリで直径5ミリのショートインプラント生存率(98.52%)は、全体の生存率と比較して統計学的に高い生存率だった(オッズ比0.41、P<0.05)。
インプラントの直径だけを考慮した場合、4.1ミリは統計学的にもっとも生存率が悪く(生存率94.49%、オッズ比1.59、P=0.035)、5?は統計学的に最も生存率が良好だった(生存率98.28%、オッズ比0.48、P=0.012)。
(結論)
少なくても12か月以上のフォローアップ期間において、上下の臼歯部に埋入された6.5ミリ以下のショートインプラントは、通常の長径を有するインプラントと同程度の生存率を有すると結論づけることができる。
(参考文献)
Al-Johany SS, Survival rates ofshort dental implants(≦6.5ミリ) placed in posterior edentulous ridges and factors affecting their survival after 12-month follow-up period: A systematic review. Int J Oral Maxillofac 2019; 34(3): 605-621.
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今回の報告で、直径5ミリ、長径6.5ミリのインプラントは、直径4.1ミリ、長径6.0ミリのインプラントよりも有意な差をもって生存率が高いようです。
使用しているインプラントシステムが、6.5ミリのインプラントを販売していないので、当院では使用したことがありませんが、機会があれば使用してみたいものです。