抗菌薬処理後に残ったバイオフィルムに結合したバイオフィルムは緻密化する。
・代表的な抗菌薬であるグルコン酸クロルヘキシジンをP.gバイオフィルムに作用させた場合、一定の殺菌効果は示すものの、基質がそのまま固層表面に残ってしまい、浮遊菌が新たにバイオフィルムを形成する際の足掛かりとなることも報告されている。
高病原化したバイオフィルムの除去が必須である歯周病治療には、やはり機械的清掃によるデブライドメントが重要であることが分かる。
(参考文献)
Yamaguchi M, et al : Eur J Oral Sci, 121 (3Pt1) : 162-168, 2013.
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『抗菌薬処理後に残ったバイオフィルム基質の上に再び菌液を加えると、菌がバイオフィルム基質の上に結合し、抗菌薬処理をしないバイオフィルム上よりもかえって緻密なバイオフィルムを形成する。』というエビデンスです。
それにしても、機械的清掃がない状態でバイオフィルムに抗菌薬を作用させていると、歯周病菌がそのバイオフィルム基質の上に結合し、かえって緻密なバイオフィルムをつくるというのには、驚かされました。
私たちはインプラントを守るために、歯周病菌のバイオフィルムと闘わなければなりませんが、機械的清掃の重要性を今更ながらに思い知らされました。