インプラント周囲炎に歯周炎と同じ治療法を用いても奏功しない。
・インプラント周囲炎を引き起こす細菌叢は、歯周炎と細菌種や細菌の比率、活動性の高い細菌種が異なる。
インプラント周囲炎に歯周炎と同じ治療法を用いても奏功しない理由の一つと考察している。
研究グループは、インプラント周囲炎と歯周炎の両疾患に罹患した成人12人を対象にし、歯およびインプラント周囲からプラークを採取。
細菌RNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いて得られた遺伝子情報を基に両疾患に関わる細菌種の同定とその細菌叢の持つ機能を解析した。
細菌種の組成では、ほぼ同様の病態を示している両疾患で、細菌種の割合は異なり、原因細菌は異なると考えられた。
一方で、機能遺伝子の分析を調べると、両疾患ともに炭水化物やタンパク質の合成や分解に関連する遺伝子が多く発現していた。
しかし、バイオフィルム内でより活発な機能遺伝子を発現している細菌種については、両疾患で異なり、各菌間の共起関係を基に細菌間相互作用を調べると、両疾患で細菌ネットワーク網も異なると判明した。
また、両疾患で病原因子が類似しているものの、健康な歯の周囲に認められるプラーク細菌叢とは明らかに異なる病原組成だと分かった。
(アポロニア21 2016年10月号 )
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インプラント周囲炎を引き起こす細菌と歯周炎を引き起こす細菌が、それぞれ異なることが明らかになりました。
またそれにより、インプラント周囲炎に歯周炎と同じ治療法を用いても奏功しないこともわかりました。
インプラント周囲炎の治療は、近年様々な方法が報告されていますが、手技が簡単で効果的な方法というのは、まだありません。
今後の研究に期待したいところです。