ジンジパイン阻害能をもつもの。

ポリフェノールにはジンジパイン阻害能があります。

リンゴのポリフェノールやホップのポリフェノール、ユーカリ成分のマクロカルパール、あるいはウコン成分のクルクミンはジンジパインのタンパク分解能を押さえます。
そのため、P.gingivalisの細胞障害作用を阻害したりすることができます。
特にクルクミンの作用は強く、実験室レベルではP.gingivalisの歯肉上皮細胞への付着・侵入を完全に防ぎます。
(参考文献)
Izui S, et al. J Periodontol 87(1), 83-90,2016.
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P.gingivalisがなぜ病原性が高い歯周病菌なのかというと、それは強力な病原因子をたくさん持っているからです。
その中でも特に強力なものにジンジパインがあります。
このジンジパインは、タンパク分解酵素の一種で、タンパク質を分解して、P.gingivalisが栄養として消化できる形にします。
また逆にいうと、ジンジパインがないとP.gingivalisが生きていることができないということになります。
そこで今回、ジンジパイン阻害能についての研究を紹介する機会を得ました。
この報告によると、ポリフェノール、クルクミンにはジンジパイン阻害能を有する食品成分ということが明らかになりました。
インプラント周囲炎にもジンジパイン阻害能があるのか、今後の研究報告に期待したいです。

2020年8月25日

hori (08:18)

カテゴリ:インプラント周囲炎

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