ガイデッドサージェーリーは、スウェーデンのガイドラインには入っていない。

・スウェーデンの保険福祉庁が良好な口腔内環境を保つことも目的とした国家プロジェクトととして、大学人をはじめとしたエキスパートを集めて作成します。
各種診断に対して、6つの項目(1. 推奨度の正当性、2. 病変の深刻度、3. 論文、4. 治療効果、5. 治療の副作用・欠点、6. 費用対効果)をもとに決められた推奨度が記載されています。
推奨度は1から10まであり、1に近づけば近づくほど信頼できる治療となります。
・近年、日本ではガイデッドサージェーリーが頻繁に使用されるようになってきていますが、スウェーデンのガイドラインには入っていません。
当初、ガイデッドサージェーリーはインプラントの経験が少ない歯科医院の手助けをするツールとしての概念が強かったのですが、データを集め始めると、慣れている歯科医師が行っても様々な問題が見えてきました。
現在はシステムも大きく改善されましたが、現時点でガイドラインに載っていないということは、そこまで有益だというエビデンスがそろっていないのかもしれません。
もし、有益であると認められれば、ガイドラインの中に入ってくると思います。
・De Bruynらのガイデッドサージェリーの誤差を調べた論文では、先端部で数ミリの誤差があると示されています。
また、注水の問題などもあるのに、どのような症例でもガイデッドサージェリーが第一選択になるというのは、あまり納得がいかないところもあります。
自分の臨床では、よほどシビアなケースでなければ使用していません。
(クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー 2018年 vol.25 )
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インプラントの最先端治療、ガイデッドサージェリーは一定の評価ができます。
しかしながら、小宮山氏がよく仰っている「航空士(ナビゲーター)の意見を鵜呑みする操縦士はいない。最終的な決定は操縦士にゆだねられる。」ということをインプラントで考えると、CT像を見てプランニングしたのちに、フラップを開けて実際の骨の状態を見てから再度一番良い条件の部位を見極めて埋入するという従来の方法の方が、ガイデッドサージェリーやフラップレスなどよりも確実性が高いと個人的には考えています。

2018年5月 5日

hori (16:32)

カテゴリ:サージカルガイドの埋入誤差

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