下顎管が2つ存在するケースは、0.08-0.9%程度。

・数多くの下顎管には多数の分岐が見られることがあります。
部位として多いのは、下顎枝部と下顎智歯部です。
ただし、その多くは分岐後再度吻合しています。
出現頻度が高いものに、下顎管が臼後部で上行して、歯槽頂部に開口する臼後管が挙げられ、その出現頻度は約20%と報告されています。
一方で、きわめて稀ではありますが、下顎管が初めから2つ存在する例も報告されています。
発症率は0.08-0.9%程度されています。
(参考文献)
内藤崇孝. デンタルインプラント治療における画像診断. 口腔外科学会雑誌. 2009 ; 55 : 116-121.
Claey V, Wackens G. Bifid mandibular canal : literature review and case report. Dentomaxillofacial Radiol 2005 ; 34(1) : 55-58.
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症例によっては、下顎管が分岐しているものもあります。
パノラマレントゲンでは、下顎管の分岐の判断は困難でしょうから、やはりCTでの術前診断が必須となります。
もし、下顎管が2本存在する場合、当然のことながら、歯槽骨上縁から、2本あるうちの上の方の下顎管の上端までの距離が、インプラントを埋入できる長さということになります。
そういえば、当院にも下顎管が2本存在する方が、インプラントの相談に来院された方がいました。
結果的には、私がその方に施術することにはなりませんでしたが、もし当院で契約をされた場合には、第一選択はショートインプラント、第二選択はGBR後にインプラントとなるかと思います。
下歯槽神経移動術のように、下歯槽神経を移動させる方法もありますが、分岐しているようなケースでは、麻痺がより生じやすくなると推測されます。

2017年4月10日

hori (11:05)

カテゴリ:インプラントの偶発症

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