最小発音空隙に平均値というものは存在しない。

・S発音位を咬合高径の評価に利用するには、前歯が適切な位置に残存していることが前提となる。
また、Sivermanは「最小発音空隙は患者によってさまざま(0-10ミリ)で、平均値というものは存在しない」述べている。
さらに空隙の量を視診で評価することが難しいことも少なくない。
そのため、咬合高径の評価の基準としてやや実用性に欠ける。
(参考文献)
Goodacre DJ, Campagni WV, Aquilino SA. Tooth preparations for complete crowns : an art form based on scientific principles. J Prosthet Dent 2001 ; 85(4) :363-376.
*****
過蓋咬合だから発音が上手にできないとか、オープンバイトだから発音が上手にできないというケースに、私は遭遇したことがありません。
ということは、最小発音空隙に平均値が存在しないという事実とつながるように思います。

2021年3月25日

hori (08:02)

カテゴリ:上顎前歯部のインプラントの

« 慢性疼痛保有者の47%は寒い時に痛みが悪化する。 | ホーム | 咬合挙上の安全性 »

このページの先頭へ