インプラントの生物学的幅径は一定ではない。
・インプラントの生物学的幅径は歯とは異なり、一定ではない。
上顎前歯部:4.5±1.4ミリ
上顎小臼歯部:3.7±1.3ミリ
下顎臼歯部:3.0±1.1ミリ
(参考文献)
Fuchigami K, Munakata M, Kitazume T, Tachikawa N, Kasugai S,Kuroda S: A diversity of peri-implantmucosal thickness by site. Clin Oral Implants Res, 28(2): 214-218,2017.
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天然歯の生物学的幅径は、歯牙の種類に関わらず3ミリ前後ですが、インプラントの生物学的幅径は前歯、小臼歯、大臼歯でそれぞれ異なることが明らかになりました。
元々の歯肉の厚みが薄い場合は、どの部位でもインプラント埋入深度は深めになりますが、前歯部では大臼歯よりも埋入深度をさらに深めに設定する必要があるということになります。
上顎前歯部におけるインプラント治療では歯槽骨幅が薄いため、唇側に十分な歯槽骨を残すことができず、その結果、歯肉が退縮する危険性がありました。
そのため、FGGやCTGなどによって歯肉の厚みを増大させる処置が必要となっていました。
ところが、上顎インプラントの生物学的幅径が大臼歯よりも多く必要になるということですから、付加的な処置を考えるよりも、まずは生物学的幅径を配慮しての埋入深度を決定するべきといえるでしょう。