再感染やその後の治療失敗の原因としてのコロナルリーケージの印象は薄れてきた。

・昨今の間接的証明によると、再感染やその後の治療失敗の原因としてのコロナルリーケージの印象は薄れてきたようである。
その根拠は以下の2つの事実に基づいている。
1. 治療に失敗した歯の生検標本では通常、細菌は根管の根尖側1/3に認められるが、根管全域に沿って存在することはあまりない。
コロナルリーケージが治療失敗の主な原因であれば、細菌は歯冠から根尖まで根管の全域にわたって定着しているはずである。
2. 生活歯髄の治療の成功率は、感染により壊死した症例や再治療例と比較すると、有意に高い。
コロナルリーケージが治療後の疾患の最重要原因であれば、生活歯や壊死した歯の治療失敗率のほか、再治療症例の治療失敗率も同等となるはずであるが、実際は異なる。
(リクッチのエンドドントロジー )
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これまでコロナルリーケージにより発生する充填済み根管の再感染は、歯内療法失敗の重要な原因となるとされてきましたが、考えられてきたほどその頻度は高くないようです。

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