「食後30分は歯を磨かない方がよい」は本当なのか?
この実験モデルにおいては、酸蝕後、ブラッシングを行う時間を最大4時間まで空けても、そのメリットは見られなかった。
現在のところ、「食後30分はブラッシングをしない」というコンセプトの根拠はなく、酸蝕症による実質欠損が明らかな患者に限って考えるべきであろう。
(参考文献)
Adrian L, Jonas L, Thiago S C, Barbara C: Toothbrushing after an erosive attack: Will waiting avoid tooth wear ? . European J of Oral Sciences, 122(5) : 353-359-2014.
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酸による侵襲を受けることで歯質はミネラルを喪失し、0.2-3.0μmほどの範囲が軟化するといわれています。
このことから、食後すぐに歯を磨くことにより、歯がダメージを受けるとの考えが生じました。
さらに、唾液によるエナメル質の酸蝕や摩耗に対する再石灰化能についての分析が行われ、酸蝕症を誘発するような食べ物や飲料水を摂取した後は30-60分は歯磨きをするのを待つべきという考えが生じました。
しかし、唾液中の露出を2時間行っても、エナメル質の耐酸蝕効果が見られなかったとの報告もあり、結論が出ていません。