慢性疼痛保有者の47%は寒い時に痛みが悪化する。

・慢性疼痛保有者の25%は天気が悪い時、あるいは崩れる時に、47%は寒い時に痛みが悪化すると答えていたとされています。
ラットを用いた慢性疼痛実験では、大気圧より27-40hPa減圧した環境下で疼痛行動が増強し、交感神経が関係していると述べられています。
さらに、その体内センサーは内耳にあり、内耳破壊ラットを用いた慢性疼痛実験では、減圧した環境下でも疼痛過敏行動が変化しないことが明らかにされています。
同様に温度変化についても述べられており、低温環境下では痛み行動が増強され、これは交感神経とともに末梢の冷覚受容器の活性化が鍵となっていると述べられています。
その結果、痛みの感受性が高まり、痛みが強くなるのだと思われます。
(参考文献)
佐藤純:気象関連性疼痛のメカニズム. PAIN RESEARCH, 34(4) : 312-315, 2019.
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数は多くはありませんが、毎年寒い季節になると歯の痛みを訴える患者さんがいます。
痛みの程度も大きくはないのですが、痛みが消失し、本人も日常の忙しさで忘れてしまっている間に、再度寒い季節を迎えるということを繰り返しています。
症状が増悪傾向にあり、持続的な場合には具体的な治療が必要と考えています。

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