根管内のC-factorは、200を超えるかもしれない。
・支台築造における接着は、主に築造材料と象牙質との接着である。
窩洞は狭く、複雑な形態が多く、根尖に向かうほど狭くなり、照射光が届きにくくなるので、接着操作も困難となる。
臨床的に接着阻害に関わる因子としては、水分残渣、光照射不足およびC-factorなどがあるとされる。
C-factorはFeilzerらにより提唱された概念で、自由表面積に対する接着面積の割合を数値化することにより、窩洞形態が下顎重合型レジンの重合収縮力の発生やフローによる補償に与える影響を表現するためにある。
C-factorの値が大きいほど界面に働く応力の割合が増加し、辺縁封鎖性が劣化する。
BouillaguetはC-factorの値について、口腔内の修復では1-5であるのに対して根管内では200を超えるかもしれない、としている。
(参考文献)
Bouillaguet S, Troesch S, Wataha JC, Krejci I, Meyer JM, Pashley DH : Microtensile bond strength between adhesive cements and root canal dentin. Dent Mater, 19 : 199-205,2003.
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確かに咬合面にダイレクトボンディングしたものが脱離したケースは皆無ですが、ファイバーポストによるレジンコアの上部のプロビジョナルを外そうとした際に、コアも一緒に外れてきたことがあります。
これは仮着材よりもレジンの接着力が弱い可能性を示唆しています。
また、今回の報告により、「C-factorが、口腔内の修復では1-5であるのに対して根管内では200を超えるかもしれない」ということが明らかになりました。
そのような意味でも、レジンコアはC-factorがかなり大きいものと認識し、ファイバーコアの本数を増やしてレジンの使用量を減らしたり、場合によってはメタルコアで対処することも必要かもしれません。