ソブリヌス菌とカゼイ菌の共存により、象牙細管への侵入効率アップ。
Miller(1890)は、象牙細管への細菌の侵入を初めて証明し、象牙細管内細菌叢が球菌と桿菌から構成されていることを報告しました。
その後、どのような種類の口腔細菌が象牙細管に侵入する能力を有するのかが複数の研究者によって詳細に調べられ、う蝕原因菌ミュータンス連鎖球菌など、放線菌の一種であるネスランディ菌、乳酸菌の一種であるガゼイ菌、またう蝕原因菌以外にも口腔連鎖球菌のゴルドニー菌、腸球菌の一種であるフェカリス菌が象牙細管に侵入する能力を有していることが明らかになりました。
また、興味深いことに、ミュータンス連鎖球菌群の中でも強力なう蝕原因菌であるソブリヌス菌とプロバイティクスに用いられることが多いカゼイ菌が共存した場合、これらの菌の象牙細管への侵入効率が高まることも報告されています。
(参考文献)
Nagaoka S et. al. Microbial induction of dentinal caries in human teeth in vitro. J Endod 1995 ; 21(11) : 546-551.
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ミュータンス連鎖球菌群の中でも強力なう蝕原因菌であるソブリヌス菌とプロバイティクスに用いられることが多いカゼイ菌が共存した場合、これらの菌の象牙細管への侵入効率が高まることが明らかになりました。