P.gingivalisは口腔常在菌?!
・P.gingivalisは誰の口腔にでもいる常在菌
報告により大きくばらつきますが、15-40歳の健康な歯周組織をもつ成人からのP.gingivalisの検出率は20-50%程度です。
近年の細菌検査法の精度の向上につれ、健康な歯周組織からのP.gingivalis検出率はさらに上昇しつつあります。
中華人民解放軍・口腔医学研究所の職員468人を対象とした2010年の調査では、全体の70.7%からP.gingivalisが検出され、歯周病ではない方の62.2%からも検出されています。
このような結果から、現在では、P.gingivalisは口腔常在菌と考えられる。
歯周病菌が常在菌であるという事実には、大きな意味があります。
多くの人が歯周病発症の危険性を持っているということです。
その一方、P.gingivalisに感染していても歯周病は予防できるということです。
18歳以降に歯周病マイクロビオームが完成しても、すぐには歯周病の症状は現れません。(不顕性感染)
感染を受けた人(宿主)の年齢が若いせいもあって、長年にわたって歯周組織の健康な状態が続くことが多いと思います。
しかし、歯周病菌は絶えず宿主の状態を観察しています。(日和見)
口腔清掃不良や加齢などの理由で、歯周組織と歯周病マイクロビオームとの拮抗バランスが崩れ共生関係が破綻したとき、歯周病は発症します。(日和見感染)
一方、生涯に亘って発症しない不顕性感染のままの人もいます。
(21世紀のペリオドントロジー ダイジェスト )
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重篤な歯周病には、レッド・コンプレックスという病原性の高い細菌がいると言われています。
P.gingivalisは、このレッド・コンプレックスの一つです。
長らく、歯周病ではない人にはP.gingivalisがいなく、重度歯周病の人にはP.gingivalisが存在すると考えられてきました。
しかしながら今回、P.gingivalisは口腔常在菌であることが分かりました!
また、常在菌である以上、多くの人が歯周病発症の危険性を持っていること。
さらに、共生関係が崩れたときに、日和見感染として歯周病が発症することがわかりました。
個人的には、歯周病に関してのパラダイムシフトです。
もちろん、これはインプラント周囲炎についても関連する内容です。