咬み合わせが悪い方は、第二大臼歯の生え方に異常がある場合が多い。
・第二大臼歯が1本以上生えていない大学生は0.9%、生える方向や位置が正常でないのは、12.4%に上る。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授の森田学氏らは、18,19歳の大学生2205名を対象にし横断調査し、第二大臼歯の異常と咬み合わせの異常との関連性を明らかにした。
調査では、12歳ころに上下左右に計4本生える第二大臼歯が、大学生18人に1本以上生えておらず、240人の生え方に異常を認めた。
ロジスティック回帰分析の結果では、咬み合わせの悪い群は、正常な群と比較して、第二大臼歯の生え方に異常が出るリスクが男性で3.9倍、女性で3.2倍となっている。
研究グループは、横断研究のため因果関係があるとは言えないとしたうえで、「咬み合わせを正常にすると、適正な時期・場所に歯が生えるようにできるかもしれない。第二大臼歯の生え方が悪いと、第一大臼歯の歯周病に影響を与える可能性もあることから、正常な咬み合わせにすることで歯の疾病予防にもつながる」と成果について考察している。
(アポロニア21 2015年4月号)
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正常な歯列では、第一大臼歯と第二大臼歯には、ほぼ同じくらいの咬合力を負担しています。
ところが、第二大臼歯の生え方が不足している場合、第一大臼歯の負担割合が増大するので、歯周病や歯牙破折、クラックを伴う虫歯等のトラブルが第一大臼歯に続きます。
(大阪大学のM教授が仰るように、第二大臼歯が欠損していると顎関節が不安定になるためよくないそうです。)
また、第二大臼歯の位置に異常が認められる場合には、クロスバイトあるいはシザースバイトなどがあると思います。
このような異常咬合は、顎偏位をもたらしたり、顎関節周囲の異常を惹起したりすることになるでしょう。
個人的には、第二大臼歯の生え方が不足しているケースやクロスバイトやシザーズバイトのように歯ぎしりがしにくい咬み合わせでは、相対的にくいしばりの程度や頻度が大きいような気がしています。
またその一方で、よく噛んでいる部位がそうではない部位よりも先行してなくなっているという現象は、歯科治療ではよく拝見します。
歯がなくなったからその部位にインプラント治療という発想はもちろんですが、その歯がなぜなくなる運命にあったかまで考えることによって、同じようにインプラント治療を行っても、長期に安定した状態を維持できるのではないかと考えています。