バイオフィルムの質が問題
・バイオフィルムの質が問題
どんな種類の歯周病菌がいるかで、バイオフィルムの病原性が変わってきます。
悪玉歯周病菌のいないバイオフィルムは、大量に沈着していても病原性はあまり高くありません。
バイオフィルムの病原性は磨き残しの量よりも質(細菌種)で決まります。
(参考文献)
天野敦雄,岡賢二,村上信也(監修),ビジュアル 歯周病を科学する. 東京 : クインテセッセンス出版,2012.
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1960年ごろは、細菌検査法が発達していたなかったため、バイオフィルム中の細菌種には個人差があることはよくわかっていませんでした。
そのため、バイオフィルム中にどんな歯周病菌がいるかよりも、バイオフィルムの量が問題視されていました。
しかしながら、近年バイオフィルムの質に問題があると歯周病が重篤化すること分かってきました。
日々、歯科臨床を行っていると、バイオフィルム(プラーク)が大量に付着している割には歯周組織がほぼダメージを受けていない人がいる一方で、バイオフィルムがほとんど付着していないのに歯周組織がかなり破壊されている人がいることに気づかされます。
バイオフィルムの質で病原性が決定されるとすれば、これらはとても納得のいく現象であるといえます。
インプラント治療後のメンテナンスの在り方も考え直さなければならないかもしれません。