歯周病に「なる人」。
・歯周病に「なる人」と「ならない人」の遺伝的要因の違い
侵入した細胞の中で、P.g菌は4パターンの動きを見せます。
P.g菌を細胞内で分解できる細胞をもつヒトと、そうではないヒトがおり、P.g 菌がどのパターンの動きを見せるかは個人差によると考えられています。
これが歯周病に「なる人」「ならない人」の遺伝的要因の違いの一つかもしれません。
感染に強いと考えられる歯周組織細胞はパターン1や2のP.g菌 を分解する細胞であり、歯周病が進行しやすい細胞はパターン4、ついでパターン3となります。
・歯周病に「なる人」
分解を受けなかったP.g菌は細胞リサイクリング経路(細胞内へ取り込まれた細胞膜上の分子を、再び細胞膜へ戻し再利用する経路)に乗り移り細胞外に脱出、そして周囲の別の細胞に再侵入します。
つまり、P.g菌 は一つの細胞内にとどまることなく、次から次へと侵入細胞を代え、細胞間を往来し、増殖し、感染拡大を続けるのです。
そのため、P.g菌の細胞侵入は歯周病の慢性化と再発に関わっています。
また細胞に侵入したP.g菌を排除するのは容易ではありません。
(21世紀のペリオドントロジー ダイジェスト )
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P.g菌は細胞内に侵入します。
細胞内に存在するP.g菌を排除するのは、当然のことながら困難であるため、細胞内でそれを分解できない人は、歯周病が重症化するタイプの人であるということになります。