チンパンジーには虫歯も歯周病も起こらない理由
・チンパンジーには虫歯も歯周病も起こらない。
原始的なチンパンジーの食生活と近代的な人間とのそれとで、どこが決定的に違うかというと、「加熱したものを食べているかどうか」です。
非加熱のデンプンはβデンプンですが、加熱するとαデンプンに変わります。
柔らかくなったαデンプンは唾液のアミラーゼ酵素で分解されやすくなりますが、それによって多糖類が二糖類の麦芽糖に分解されるために、悪玉菌のエサになってしまいます。
・虫歯をその原因から分けると、歯の表面のエナメル質の虫歯は、虫歯菌に感染して、砂糖でその数を増やした状態ということになる。
一方の高齢者の根面齲蝕は、長年咬み続けた米からできているということなのです。
・オメガ3脂肪酸には炎症を抑える働きがあり、血管の健康だけでなく、歯周病自体も改善してくれます。
抗炎症反応を持つ脂肪酸なのです。
(白米が健康寿命を縮める より)
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虫歯や歯周病を食の観点から予防するというのは、医療の本質かと考えています。
高齢になって根面齲蝕を可能な限り回避するためにも、米は取り過ぎない方が良いのかもしれません。
日本人が外国人と比較して根面齲蝕が多いという報告は個人的には聞いたことないので、パンを主食とする外国人高齢者でも同様に根面齲蝕が発生していると考えられます。
そうなると、糖質を主体とした食事ではなく、糖質を少しでも制限した食事の方が、虫歯や歯周病予防になるといえるでしょう。
オメガ3脂肪酸は、ニシン、サバ、サケ、イワシ、タラ、などの魚介類に多く含まれるそうですが、そのようなものを多く摂取することで、歯周病予防にも効果的ということになるようです。
インプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病に似たインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎になるリスクはあります。
歯周病予防にオメガ3脂肪酸が効果なのであれば、インプラント周囲炎予防にも効果的であるといえます。
インプラント治療受けた患者さんは、積極的にオメガ3脂肪酸を摂りましょう。