クロルヘキシジンは齲蝕予防として推奨されない。

・クロルヘキシジン洗口液はこれまで、う蝕の予防法として日常的に処方されてきた。
しかしながら、近年、クロルヘキシジンンを用いた齲蝕予防法は、高い酸性能と耐酸性能を有するミュータンス連鎖球菌腫の菌数を増加させることが、複数の研究により示されている。
このことから、クロルヘキシジンによるう蝕予防法は、齲蝕病原性を有するミュータンス連鎖球菌腫を根絶できないばかりか、実際にはもっとも病原性の高いミュータンス連鎖球菌腫が口腔内で生き残るための環境を整えてしまっている可能性がある。
また、Journal of the American Dental Assoociationの2011年4月号では、ADA(米歯科医師会)の学術評議会が、50のランダム化比較試験と15の非ランダム化比較試験のエビデンスを分析し、フッ化物を含まない様々な齲蝕予防薬の効果を検討した。
その結果、ADAの学術評議会は、クロルヘキシジン製剤について、根面齲蝕へのクロルヘキシジン・チモールの3か月ごとの塗布以外は、その形態、使用される病変の種類、対象の年齢にかかわらず、すべて推奨されないと発表した。
(BALANCE )
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クロルヘキシジンは洗口液は、これまで齲蝕予防法として日常的に処方されてきました。
しかしながら、『クロルヘキシジンによるう蝕予防法は、齲蝕病原性を有するミュータンス連鎖球菌腫を根絶できないばかりか、実際にはもっとも病原性の高いミュータンス連鎖球菌腫が口腔内で生き残るための環境を整えてしまっている可能性がある。』とこれまでの考え方とは全く異なる見解が、今後の主流になりそうです。
ただ、米国は日本の基準よりも高濃度のクロルヘキシジンが使用しているはずなので、米国の状況をそのまま日本に当てはめることは危険ではありますが、ここでも『昨日の非常識が今日の常識』となる一つの例ではないでしょうか。
継続して研鑽を続けたいものです。

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