根分岐部病変には、超音波スケーラーが良い。
・上下顎第一大臼歯の頬側根分岐部の幅は0.63-1.04?であり、ハンドスケーラー(キュレットタイプ)のブレード幅は、それよりも58%大きいという報告があります。
また、ハンドスケーラーよりも超音波スケーラーを使用する方が根分岐部に到達しやすいとする知見もあります。
ハンドスケーラーは根分岐部に挿入できたとしても、ストローク幅が制限されるため、十分な操作ができない倍もあります。
一方、超音波スケーラーは、根分岐部にチップを挿入し、歯根面に当てることができれば、超音波振動による機械的除去効果だけでなく、チップが直接触れていない部位へのイリゲーション効果も期待できます。
(Ultrasonic Debridement )
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確かに、大臼歯部の根分岐部へ器具を到達させる上で、ハンドスケーラーのブレード幅が大きすぎて、治療が困難という場合があります。
そのようなとき、基本的にストローク幅が不要な超音波振動は有効かもしれません。
ただ、チップのふれていない部位へのイリゲーション効果については、個人的は懐疑的です。
というのも、かつて超音波歯ブラシが世に出たころ、ブラシが触れていない少し先のバイオフィルムも破壊するとメーカーが謳っていたのですが、数年後、『そのようなことはない。』という報告を聞いたことがあるからです。
さて、歯を失う原因に、大臼歯部の根分岐病変がありますが、根分岐部病変は、力の関与が大きい患者さんが多いように感じます。
そのため、根分岐部病変→インプラントというケースは、非常に注意して経過を追う必要があると考えています。