化学重合型レジンに軍配が上がるか?!
・光重合レジンは、何でも光重合型が適しているとは思えません。
特にボンディング材は光重合型だと、光が当たっている方向が重合収縮が始まるため、剥がれるリスクがあります。
一方、化学重合型であれば、温度が高い歯面に近い方向から重合するため、そのようなリスクとは無縁です。
臨床的に明らかな剥がれを経験することは稀ですが、近年のレジン材料は象牙細管にきっちりとレジンタグを噛ませる構造となっているので、むしろ注意が必要なのです。
これらは頑丈な分、剥がれようとする材料側の力が歯質を傷めやすいためです。
強い接着力が求められるようになった現在、歯質と修復材料との界面を封鎖する材料は、化学重合型の方が安全だといえるのではないでしょうか。
(アポロニア21 2017年8月号 )
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レジン充填が歯科治療として登場した時には、化学重合型しかありませんでした。
しかも歯髄刺激が強かったために、その後抜髄に至るケースも少なくありませんでした。
その後、光重合型がレジン充填の治療に登場し、だいぶ物性が改善されてきました。
現在では主流となって久しいというくらいです。
レジン充填という治療の予後は、接着がどの程度きちんとされているかによって、結果が大きく左右します。
そのため、各メーカーがこぞって接着力を向上させる努力を続けてきました。
その結果、レジン材料が頑丈な分、光重合によって剥がれようとする材料側の力が歯質を傷めるリスクが浮上してきました。
もしかすると、再び化学重合型が主流の時代が再来する可能性もあります。
こうして考えると、現在の主流であるファイバーコアによるレジンの支台築造も、本当に信用していいのかと考えてしまいます。
光の届かない部位では、常温でレジンが重合すると謳われているデュアルキュア型でも、根尖近くでは重合が完了していないかもしれないし、歯冠に近い部位では歯質が一部破壊される形で、接着が不完全である可能性もあります。
レジン支台築造は、一部の接着が確実になされている部分があれば、冠の脱離等は起きませんが、接着が不十分な部位からは、バクテリアが入り込む余地があると考えられます。
そうなると、接着にムラがあるかない、古くからあるセメント合着の方がいいという見方もできるかもしれません。