フッ化ジアミン銀に対する考え方が欧米で変化。

・フッ化ジアミン銀を齲蝕の管理に使用すると歯が黒変するので、これまで米国を中心に欧米ではフッ化ジアミン銀を使用しない状況であった。
2016年7月11日、New York Times に"A Cavity-Fighting Liquid Lets Kids Avoid Dentists ` Drills"という記事が記載され、米国ではなぜフッ化ジアミン銀を歯の治療に使用しないのか、ものすごい反響が起こった。
この記事を受けて、米国歯科医師会は、齲蝕治療のマネジメントにフッ化ジアミン銀を使用するべきだとコメントを出した。
(参考文献)
ADA(American Dental Association). Silver Diamine Fluoraide in Caries Management. Science in News. July12,2016.
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フッ化ジアミン銀は、商品名サホライドといって、歯科では古くからある齲蝕進行抑制材です。
半世紀前は、虫歯の治療に非協力な子供達の齲蝕治療に使われていましたが、現在は親御さんが自分の子どもの歯が黒変するのを嫌うようになったために、徐々に使用されなくなってきていました。
ところが昨今、人間の寿命が延びることによって、かつてはあまり問題とはならなかった根面齲蝕が問題となるようになりました。
根面齲蝕は歯冠部とは異なり、さほど大きな齲蝕ではなくても容易に神経にまで到達し、そこから破折することも少なくないので注意が必要です。
下手にCR充填を行うよりも、根面齲蝕対策にサホライドを使用する方が患者さんにとって有益かもしれません。

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