歯周ポケットが深い複根歯では、外科の適応。
・歯肉縁下のSRPであるが、熟練した歯科衛生士でも確実に除去できる歯周ポケットの深さは3.73ミリと意外に浅い。
言い換えると、4ミリ以上の歯周ポケットになると取り残す可能性が高いといえる。
ただし、近年拡大鏡やマイクロスコープを用いることでSRPの正確性が高くなり、より深い歯周ポケットでも除去できる可能性はある。
また、Mellonigらは、フラップ手術とSRPの効果を歯周病専門医と一般開業医で比較し、歯周ポケットが深くなるほど、非外科的療法でのデブライドメントは不確実になると述べている。
さらにこの傾向は複根歯で顕著で、4-6ミリの歯周ポケットにSRPを行った場合、歯周病専門医でも完全に除去できたのは25%以下で、開業医のFOPの方が有効であったと報告している。
このように、非外科的歯周治療では歯周炎の原因であるバクテリアを確実に除去することが難しく、それゆえ治療後のSPTにおいても、再発のリスクが高くなる。
これらのことから、4ミリ以上で活動性(BOP(+))の深いポケットでは、歯周基本治療のみではプラークコントロールしにくい部位が残るため、歯周外科処置の適応と考えられる。
(参考文献)
Stambaugh RV, Dragoo M, Smith DM, Carasali L. The limits of subgingival scaling. Int J Periodontics Restorative Dent 1981 ; 1(5): 30-41.
Brayer WK, Mellonig JT, Dunlap RM, Marinak KW, Carson RE. Scaling and root planting effectiveness : the effect of root surface access and operator eperience. J Periodontol 1989 ; 60(1); 67-72.
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歯周ポケットが深くなるほど、非外科的療法でのデブライドメントは不確実になること。
さらにこの傾向は複根歯で顕著で、4-6ミリの歯周ポケットにSRPを行った場合、歯周病専門医でも完全に除去できたのは25%以下で、開業医のFOPの方が有効であったことが明らかになりました。