根管内へのレジン填入後の光照射によって接着界面にギャップが発生。
・根管内へのレジン填入後の光照射によって接着界面にギャップが発生する。
この接着界面のギャップの発生要因として、根管内はC-factorが高く重合収縮による影響を受けやすいため、光照射に伴うレジンの重合収縮によると考えられる。
また、このギャップは10ミリの深さの根管のうち、根尖側約4ミリの部分から根尖へ向かって進展していく様相を確認できた。
ギャップは根尖側に向かうに従って多くなることから、象牙質とレジンの接着界面は、歯冠側よりも根尖側の方に問題があることが明らかになった。
ギャップのある部位は象牙質とレジンが接着しておらず、このことは歯冠側と比較して、根尖側において接着性能が低下するといったこれまでの接着試験結果を裏付ける結果となった。
(参考文献)
Minamino T, Mine A, Matsumoto M, Sugawa Y. Kabetani T, Higashi M, Kawaguchi A, Ohmi M, Awazu K, Yatani H: Nondestructive observation of teeth post core-space using optical coherence tomography: comparison with microcomputed tomography and live i,ages. J Biomed Opt,220(10): 107001,2015.
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象牙質とレジンの接着は、レジンの重合収縮によりギャップができることがわかりました。
臨床経験的にも、ファイバーコア併用のレジンコア直接法では、脱離の際にレジンは常にファイバーコア側に残り、根管内には残らないということも納得することができます。
口腔内で直接法で築造体を製作して、その後コア部分を一度外したのちにセメント合着するのが良いように感じます。