cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者は、微小脳出血の出現率が4.7倍高い。
ミュータンス菌が微小脳出血に関与
ミュータンス菌のうち、脳の血管内のコラーゲンと結合できるcnm遺伝子保有株は、微小脳出血の出現に関与する。
これまで脳出血患者にはcnm陽性ミュータンス菌を持つ割合が多く、脳のMRI画像で観察できる微小な脳出血の跡が多いことを明らかにしていたが、実際に菌保有者の脳内で微小な脳出血が増えていくかどうか、経時的な変化はわかっていなかった。
今回は、脳卒中でセンターに入院した患者から歯垢を採取し、ミュータンス菌を培養。
cnm陽性ミュータンス菌と経時的な微小脳出血の出現率の関係を調査した。
結果、cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者は、そうではない患者と比べて、微小脳出血の出現率が4.7倍高いことが判明。
cnm陽性ミュータンス菌が、生活習慣や年齢の影響によってほころびが出た脳血管のコラーゲンに接着して炎症を起こし、出血を止める血小板の働きを抑制することで脳出血を引き起こすのではないかと推察している。
(アポロニア21 2021年1月号 )
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cnm陽性ミュータンス菌が歯垢中から検出された患者は、そうではない患者と比べて、微小脳出血の出現率が4.7倍高いことがあきらかになりました。