高齢者の嚥下機能低下が睡眠の質に影響
睡眠の質は身体的要因と強く関連しており、誤嚥による咳も原因の一つとして報告されていることから、加齢による嚥下機能の低下は睡眠の質にかかわるといえる。
広島大学の研究グループによる、60歳以上の男女3058人(男1633人、平均年齢66.5±4.2歳)に対して自記式アンケートで調査した。
その結果、28.0%が嚥下障害を有し、19.1%に睡眠の質の低下が見られた。 嚥下障害と睡眠の関連を解析したところ、男性では嚥下障害のリスクがあることが、「睡眠の質が悪いこと」「睡眠不満足」「不規則な睡眠」と関連していた。
女性では、「睡眠の質が悪いこと」「睡眠持続時間6時間未満」と有意に関連していた一方で、「睡眠不満足」「不規則な睡眠」と有意な関連はなかった。
また、男女とも「睡眠の質」「入眠時間」「睡眠困難」「日中覚醒困難」と有意に関連していた。
(参考文献:Heliyon 5月31日)
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睡眠中は唾液はそもそもさほど分泌されないのでは?と思いますが、高齢者の場合ごくわずかな唾液が気管方向に流れ、誤嚥による咳が夜間に発生することはあり得ると考えられます。
咳をする以上、睡眠が分断されるので、結果として睡眠の質の低下するのでしょう。