インプラント治療における糖尿病からの負の連鎖
インプラント治療における糖尿病からの負の連鎖
1.心筋梗塞、脳梗塞→術中・術後出血に注意
2.脳卒中:術前に血圧測定、術中高血圧に注意
3.低血糖:発汗、動悸、手指の震え、空腹時の手術を避ける
4.骨粗鬆症(骨強度低下)→インプラント埋入時の初期固定不良、インプラント周囲炎に注意
5.腎障害→周術期の抗菌薬を減量、鎮痛薬はアセトアミノフェン
→慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(骨密度低下)→骨粗鬆症
6.歯周病:術前から治療後、リコール中も歯周病の問題は継続
7.易感染性→術後感染、インプラント周囲炎:GBRやサイナスリフトなどの骨造成は避ける
(本音を教えて! GPが知りたい インプラント外科Q&A67 )
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糖尿病患者さんにインプラント治療を行う場合、そうではない場合よりも術者には注意が必要となります。
例えば、術前には腎障害による骨粗鬆症の有無を確認したり、歯周病の管理をよりしっかりと行う必要があります。
また治療計画を立てる際にも、サイナスリフトよりはソケットリフトの方が無難でしょうし、GBR併用のインプラント埋入よりはGBRとインプラント埋入を別々に行う方が良いかもしれません。
ただ、抜歯即時インプラントもGBR併用のインプラント埋入の一種かと思いますが、糖尿病患者さんに対しても良好な結果が得られているので、糖尿病の程度が軽いのであれば、抜歯とインプラント埋入を別々に行う必要はないと考えています。