歯周病のリスク因子
・IL-1の多型と喫煙習慣については、5年から14年のメンテナンス患者の経過を追跡した研究がある。
この研究からIL-1多型の陽性患者(陰性の2.7倍)、喫煙者(非喫煙者の2.9倍)で顕著に歯の喪失が見られ、さらにIL-1多型の陽性で喫煙者の場合はさらに歯の喪失の危険性が高かった(IL-1陰性非喫煙者の7.7倍)。
また、体重増加(BMI)については、体重増加と歯周病の発症および進行に相関関係があることが報告されつつある。
サルを用いた動物実験でもカロリー摂取を控えた実験群では、通常のサルに比べ、アタッチメントロスと出血が少ない傾向にあったという報告がある。
ヒトを対象にした研究でも、BMIが高い患者は歯周病も4倍の確率で重症化しやすいことが分かっている。
・リウマチのような慢性炎症性疾患では、CRPのレベルが高い傾向にあり、骨代謝に障害をきたしている。
結果としてリウマチ患者の51%、変形性関節炎の患者の26%に重度の歯周炎を認めるという報告もある。
・リスク因子のうち重要性が高いものとして、
〇歯周疾患の既往メンテナンスの不定期性、喫煙、糖尿病、IL-1レベルの高いもの
・重要性が不明確だが関与が疑われるものとして、
〇内臓脂肪、BMIの高いもの、食生活、栄養状態、慢性炎症性疾患、エピジェネティックス(後天的な遺伝形質の発現)
(日本臨床歯周病学会学会誌 Vol.30 2012 )
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歯周病のリスク因子を列挙してみました。
リウマチのように原因がまだはっきりわかっていない病気との関連で歯周病になりやすい場合や、遺伝的な要素により歯周病になりやすい場合は確かにあることでしょう。
けれども、禁煙や、歯科医院でのメンテナンスを受診したり、BMIを下げたリスことは、各人の努力次第で歯周病のリスクを低減させることは可能かと思います。
できることから歯周病対策をしていただけたらと思います。
また、インプラント治療後にも糖尿病や喫煙はインプラント周囲炎のリスクとなりうるので、禁煙や血糖値が上がりにくい生活習慣等は引き続きしていただくこととなります。